企業公式ツイッターの中には、自社の商品やサービスをユニークな企画と絡めてPRする例がある。
IT企業「DMM.com」のツイッターアカウントもそのひとつ。自社が手掛ける健康的な献立を提案するアプリ「MENUS」を宣伝しようと体当たり的な企画を仕掛けた。ところが、ちょっとしたハプニングが......。
「いいねとRTとリプライの合計の数だけ、豆食べます」
「節分にちなんで『豆を健康的に消費する方法』を献立提案アプリで紹介できればと思い、2月3日に『ツイートへのいいねとRTとリプライの合計の数だけ、豆食べます』と投稿したのが始まりです。DMM.comは『何でも挑戦する』会社ですので、その公式ツイッターとして日ごろ『体を張るチャレンジ系の企画』を仕掛けているのですが、今回もその一環のつもりでした」
DMM.comツイッターアカウントの担当者は2019年2月20日、J-CASTトレンドの電話取材にこう説明した。
ツイートの後、あれよあれよという間に「いいね」や「RT(リツイート)」が集まり、担当者が食べる豆の数は合計667粒に。翌日から大豆サラダを作ったり、ご飯の代わりに豆を弁当に詰め込んだりと、あの手この手で豆を消費する日々が始まった。
当初は「『MENUS』で豆をたくさん使うメニューを作れば、5日間くらいで終わる」と予想していた。だが、カロリーや栄養バランス、食べ合わせに配慮しながら献立を提案するアプリだったため、あまり豆尽くしのメニューにできないという意外な「落とし穴」があった。
「そのためどう料理したものかと困っていましたし、帰宅後にもあまり調理時間が取れなくて大変でした。ひとつメニューを食べ終わるたび、達成感というより『まだ残ってる』という絶望感が大きかったです(笑) 」
出社したら女性社員から「差し入れ」
なんとか残り186粒まで減らしていた2月7日のこと。
「女性社員から300粒ほど大豆の差し入れがあったんです...出社時、机の上に新たな大豆が置かれているのを見た時は血の気が引きました。でもご厚意ですから拒否するわけにいかない」
この時点で「MENUS」に絡めることに限界を感じ、日常的に持ち運んで小腹満たしに食べた。大豆をそのまま食べるのではなく「きなこにしたら?」とフォロワーからアドバイスをもらったが、「それはさすがにまずいかなと (笑)」考え、踏みとどまったそう。なんとか2月14日に完食。自身の企画を見守ってくれたフォロワーに、以下のメッセージを送った。
「体に良いものでも過剰摂取はよくないですから、皆様には『真似しないように』、『年の数だけ食べてください』と伝えたいです」