2018年は、地震や豪雨といった大型自然災害が続いた。昨年末、日本漢字能力検定協会が発表する「その年の世相を表す"漢字一字"」に「災」が選ばれたことは記憶に新しい。
では、災害の脅威を受けて生活者の防災意識は変化しているのか。インターネットリサーチを手掛けるマクロミル(東京都港区)が2019年2月14日に公表した、「災害や防災に関する定点調査(第5回)」の結果に興味深いデータがある。
西日本豪雨発生後、「豪雨、洪水」への恐怖心高まる
本調査は全国20~69歳の男女1000人を対象に行われた。
まず、回答者たちは地震や豪雨、洪水などの中でも、特にどんな災害に対して恐怖を抱いているのか調べた(推移を観察するため、同設問は17年7月からデータ取得を開始している)。結果、19年2月現在のトップは「地震(96.0%)」で、2位は「豪雨、洪水(65.5%)」となっている。以下「暴風、竜巻(48.9%)、「大規模な火事、爆発(47.0%)」、「津波(38.9%)」の順だ。
「豪雨、洪水」に絞って推移をみると、2018年7月の西日本豪雨発生前後で恐怖心を抱く人の数が大きく変化している。18年2月と同年7月にそれぞれ行われた調査結果を比べると、後者の方が13ポイントも高い。18年7月以降は、ほぼ横ばいだ。
「大災害に対する備えとして行っていること」の質問では、最多が48.1%で「避難場所や避難所の確認」となった。ただ「最多」の回答でさえ半数を割っており、避難場所を把握していない人が多い実情が浮き彫りになっている。また数ポイントの差で続いたのが「日用品・水・食料品などの備蓄(47.2%)」だ。マクロミルは発表資料で、
「国や自治体は大規模災害時の物流の混乱や避難生活に備え、『最低でも3日分、出来れば1週間分程度の家庭用食料品の備蓄を推奨』としていますが、半数の人は備蓄自体を行なっていないという実態が明らかになりました」
とまとめている。