当事者が教えてくれる「認知症になっても今日を生きる方法」

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できないことにこだわらず、できることを大切にする

   本書に登場する元気な当事者に共通する点として、「開き直り」が挙げられる。

   誰もが、認知症の告知後は、深刻な落ち込みを経験するが、立ち直りのプロセスを経る中で、次第に、できないことにこだわらずに、できることを大切にするという開き直りが見られるようだ。

「以前は忘れると不安が広がったり落ち着かなくなったりしましたが、いまは『病気だからしょうがない』と開き直っているせいか安定しています」(仙台の丹野智文さん)
「(半年にわたって引きこもっていた本人を心配して、還暦の祝いで集まった同期生たちが自宅まで押しかけてきて連れ出した顛末を語る中で)こっちは親戚にも会いたくないほど恥ずかしいのに、なんで同期生と一緒にと思うたけど、宴会場に着いたら同期生が200人ぐらい集まっている。半年も引きもりじゃけぇ、酒も入って酔いも回ってくる。そのうち、ええい面倒臭い、わしはわしでええんじゃ。何か言われたら、『認知症じゃ、それがどうしたんじゃ!』と開き直ればいい。そう思ったら、外に出られるようになったんです。あのことがなかったら、今頃は寝たきりかもしれんな」(広島の竹内裕さん)
「最初は隠したいから気を遣っていたけど、一度いい思いをしたら、隠すことに気を遣うより、『私は認知症という病気で、何も悪いことはしていない。胸を張って認知症と言えばいいんだ』と思った方が楽だとわかったんです」、「私の頼り方はすごいですよ。誰かれ構わずお願いしていますからね」(名古屋の山田真由美さん)
【霞ヶ関官僚が読む本】現役の霞ヶ関官僚幹部らが交代で「本や資料をどう読むか」「読書を仕事にどう生かすのか」などを綴るひと味変わった書評コラムです。
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