競泳の池江璃花子選手が白血病を公表したことを受け、桜田義孝・五輪相が2019年2月12日に記者団に発言した内容が多くの批判を呼んだ。翌2月13日午後の衆院予算委員会で発言について陳謝し、撤回している。
特に問題視されたのは「日本が本当に期待している選手なので、がっかりしている」という部分。この「がっかり」という表現がはらむ攻撃性について、コピーライターの糸井重里さんが2月13日、ツイッターで指摘している。
「がっかり」と言われると傷つく理由は
「『がっかり』ということばで、たくさん攻撃されてきたよなぁ。『がっかり』は『味方の声』のかたちをとって飛んでくるから、当たると痛みが強いんだよ」
糸井さんが言うにはこうだ。ツイート内で桜田五輪相の名前や話題を出してはいないが、リプライ(返信)欄には、
「『がっかり』発言をしたご本人も、人として如何なものかと思います」
「今回のことは彼女には全く責任はないことだし、何より一番辛いのは彼女自身なのですから、もっと言葉を選んでほしかったですね」
と桜田五輪相への批判や池江選手に寄り添ったと思われるコメントが見られる。
また糸井さんは続けて「親とか、なかまとか、元ファンとかからも発せられる最悪の凶器。廃絶されればいいのにとさえ思ったなぁ」とツイート。日ごろから言葉を扱い、言葉のもつ力をよく知る立場からの発信を受け、ファンからは
「『味方の声』の形で投げかけられる言葉だからこそ、言われた方が悪いことをしたような気持ちになってしまうんですね。糸井さんのツイート読んで腑に落ちました」
「たしかに。率直な嫌味はサラッと忘れるけど『がっかりした』って言われたことは何十年経っても消えてない」
と「納得」の声が相次いだ。