人気グループ「嵐」が2020年いっぱいで活動休止することになった。バラエティーやドラマにも活躍し、男女を問わず幅広い世代に親しまれてきたが、一体何があったのか、これからどうなるのか。今回は、「嵐」現象を分析するとともに、歩んだ道をたどり、その20年を振り返ってみたい。
J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチ(http://books.j-cast.com/)」でも特集記事を公開中。
明治大学の人気講義用の「テキスト」
現代思想から考察すると、「嵐」はどんなふうに見えてくるのか――。『隣の嵐くん カリスマなき時代の偶像(アイドル)』(著者:関修 サイゾー 1620円)は、フランス現代思想の専門家が「嵐」人気を解析した1冊である。
著者は明治大学の講座で「嵐」を取り上げ、多くの学生に人気を呼んだ。本書はその講義用テキストを念頭に書かれたものだ。
「嵐」の活動、軌跡、5人のメンバーの関係などを解き明かし、序章「嵐ブレイクの理由」から第1章「SMAPの正統な後継者としての嵐」、第2章「嵐のメンバー間の比較対照」、第3章「嵐その活動に見る魅力」、終章「さらに進化する嵐」となっている。
10年前から創作していた作品集
「自由な生活をしてみたい」。リーダーの大野智さんは以前からそんな気持ちを持っていたようだ。自由になれば、子どものころから興味をもっていたアートの世界でますます活躍するに違いない。
『FREESTYLE』(著者:大野智 M.Co. 1944円)は、10年にわたり創作していた作品を1冊にして2008年に発表したものだ。初の個展も行い話題になった。
フィギュア、オブジェ、ペンティングなどを中心に、制作過程を追ったスナップやインタビューも掲載している。
「アラシック」のための200カ所の「聖地」
「嵐」の活動休止を知り、「大野神社」や「二宮神社」などメンバーの名前と同じ名の神社を「聖地」として多くのファンが訪れていた。
『嵐のあしあと アラシックのための聖地巡礼ガイド』(出版社:ダイアプレス 1080円)は、「嵐」にまつわるスポットや店を紹介するガイドブックだ。
「ドラマ・映画編(~2005年)」、「同(~10年)」、「同(~17年)」、「CM・PV編」、「バラエティ編」、「嵐ゆかりの地編」と分類し、「嵐の5人がバレーに汗を流したのは女子校だった!?」や「(二宮くん演じる)ノブがチンピラたちにからまれた通り」といった、かなりマニアックな説明で約200カ所を案内している。