中国型イノベーション勃興の謎
中国フィンテック研究の第一人者・李智慧氏が、コピー大国からイノベーション大国に突き進む「チャイナ・イノベーション」の実像を日本語で書き下ろした『チャイナ・イノベーション』(著者:李智慧 日経BP社 1944円)。世界経済の波乱要因となっているトランプ政権が仕掛けた米中貿易戦争でクローズアップされた「中国製造2025」。これは中国が建国100周年を迎える2049年までに世界の製造大国になることを目標に掲げた国家プロジェクトだが、人工知能(AI)などハイテク分野も含めたこのイノベーション大国路線が米国を刺激しているという。
本書では、アリババやテンセントを中心に、最新の中国イノベーション事情を解説する。また一方で、アリババなどを活用して中国で業績を伸ばしているユニクロや中国イノベーションを研究・消化しているメルカリなども事例として紹介している。
「習近平国家主席とデジタル強国路線/モノマネ大国からイノベーション大国へ ほか」「阿里巴巴(アリババ)集団と騰訊控股(テンセント)―中国版巨大プラットフォーマーの誕生/アリババとテンセントの未来 ほか」「2強を追う先端技術企業/滴滴出行(DiDi)、微衆銀行(WeBank、ウィーバンク)―中国初の民営銀行 ほか」「急速に進むデジタル化の負の側面」「中国型イノベーションの本質と先端企業との付き合い方――ユニクロ、メルカリの事例/ユニクロの中国戦略、メルカリの戦略―中国モデルの日本への応用」など全6章。
果たして14億人の中国「モバイル決済」市場を二分する世界的プラットフォーマー、アリババとテンセントはどこへ向かうのか?