「ジョンスコ」らが参加
どんなミュージシャンが参加しているのか。ロサンジェルスで加わったのがジェイムス・ギャドソン(D)とレイ・パーカーJr(G)。前者は今年80歳。アメリカの老舗音楽雑誌「ローリングストーン」誌が選んだ「史上もっとも偉大な100人のドラマー」の32位。マービン・ゲイ、ダイアナ・ロス、ポール・マッカートニーら参加アルバムは3000枚を超すという伝説の主、後者は80年代の映画「ゴーストバスターズ」の主題歌でも知られているギタリスト、作曲家プロデューサーだ。
ニューヨークでは彼が「10数年聴き続けてきた」というギタリスト、ジョン・スコフィールド、通称「ジョンスコ」のトリオが共演している。ジャズ史に残る神様的存在、マイルス・デイビスのバンドに属し、グラミー賞のジャズインスツルメンタルアルバム賞も受賞しているジャズ界の巨人である。4曲目「桜の闇のシナトラ」は、彼との演奏を念頭に置いて作られた曲。「ニューヨークに咲く日本の桜」がイメージだと直接伝えて行われたセッションだった。
「最初怪訝な表情でしたけど、僕が先に演奏して見せたら"I know what you mean."、お前の言ってる意味が分かったよと言ってくれて。後はひたすらいいセッションでしたね。音楽の神様がいました」
ニューヨークではもう一人、渡米15年。ジャズの名門レーベル、ブルーノートからメジャーデビューしている日本人トランペッター、黒田卓也が参加している曲もある。カリフォルニアの海風を感じさせる1曲目に始まり、摩天楼とアスファルトが見えてくるニューヨーク録音曲、同じアメリカ録音でもこんなに雰囲気が変わるのかというのも現地レコーディングならではだ。