引退したプロ野球選手の人生とは
プロ野球選手は引退後にどんな仕事をしているのか。サラリーマンや実業家、あるいはタレントとして活躍している人もいるが、思いもしなかった分野に進んだ人も少なくない。『プロスポーツ選手の引退 非自発的役割離脱への社会心理学的アプローチ』(篠田潤子、ワニブックス、2160円)は、華やかな球界から新しい世界に飛び込み、どのようにアイデンティティ―を確立していくのか、その過程を科学的に分析した。
現代は一つの職業で一生を全うする人の方がまれだ。プロ野球選手でなくとも、生き直しのために参考になる。
内容は「非自発的役割離脱後の心理過程研究」「解雇されたプロ野球選手の心理的離脱」など4章。著者は慶応大法学部卒業、テレビ朝日に入社したが、慶応大文学部に再入学し博士(社会学)の学位を取得、現在は東京通信大学人間福祉学部教授。