稀勢の里に悔いはなかったか 「引退・引き際」の決断を考える

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   「私の土俵人生において、一片の悔いもございません」。引退した大相撲の横綱・稀勢の里は、そう述べながら、あふれる涙を抑えることはなかった。一方、東京五輪出場を断念したレスリングの吉田沙保里は「レスリングはすべてやり尽くしたという思いです」と明るく語った。いつ、どのように引退を決断するか、人生の大きな選択だ。今年(2019年)は天皇陛下が退位される。今回は「引退・引き際」のあり方について考えてみたい。

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皇位承継はどのように行われたのか

   天皇陛下は4月30日に退位される。江戸時代以来200年ぶりのことだ。退位については高齢化とともに、「全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないかと案じています」と胸の内を述べられた。

   『歴代天皇総覧 皇位はどう承継されたか』(著・笠原英彦、中央公論新社、1015円)は、千年以上に続いている天皇の皇位承継はどのように行われたのか、時の権力とのかかわりはどう推移したのか、初代神武天皇から昭和天皇にいたる124代と北朝天皇5代すべての生涯と事績を丹念に叙述した。

   目次は「神話時代の天皇」「古代の天皇」「中世の天皇」「近世の天皇」「近現代の天皇」と時代的に書かれている。いまから約20年前に出版されたが、巻末に系図、年表、索引もあり、天皇や退位について学ぶ1冊になっている。

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