過去10年で「スタンダード」つくり上げてきたアップル
アップルは業績修正の発表の中で、売上高予想を下方修正した原因のひとつとして、
「私たちは中国の経済環境が貿易をめぐる米国との緊張の高まりによってさらに影響を受けたと考えています」
と説明した。
米中間の摩擦はアップルだけでなく、中国メーカーのファーウェイにも打撃となったといえよう。米国では、政府機関の取引先からファーウェイを締め出した。日本政府なども同社を調達先から排除する動きが出ている。
ファーウェイ・ジャパンは王剣峰社長名で18年12月27日、「ファーウェイは事業を展開するすべての国や地域の法規制や国際電気通信規格を遵守しています」「私たちは純粋な民間企業であり、これまでにいかなる政府や機関からも当社の技術へのアクセスを要求されたことはありません」との文書をウェブサイト上に出し、セキュリティーに対する疑念の払拭に努めた。
市場シェア首位のサムスンも、出荷台数で伸び悩んだ。先述のIDCの調査で、17年第3四半期の8330万台から7220万台と大きく減らしている。
トップ3メーカーがいずれも厳しい状況に陥ったが、木暮氏は「(アップルの)『iOS』と『アンドロイド』の(スマホ基本ソフト)2強という構図は、今後も変わらないでしょう」と予想する。特にアップルは、過去10年以上にわたってiPhoneを世界に浸透させて「スタンダード」をつくりあげてきた。中国という「不確定要素」は残るが、5Gスタート後は新展開で巻き返す可能性もあると見る。