未曽有の被害をもたらし、6434人が犠牲となった1995年1月17日の阪神・淡路大震災から24年。被災した神戸などでは毎年、地震が起きた日に追悼行事が行われてきたが、今年初めて東京都心でも実施された。
会場となった日比谷公園小音楽堂(千代田区)には2019年1月17日夕刻、当時震災を経験した人らが集まり、「あの日」について語りながら犠牲者の冥福を祈った。
有働由美子キャスターが言葉を詰まらせ......
小音楽堂の舞台上に、「1.17」の形に並べられたキャンドル。参加した人たちが次々に火をともしていく。全員でそれを取り囲み、マイクを向けられた人が思いを語った。当時、兵庫県西宮市や神戸市で被災した人たち。話の途中でつらい経験を思い出し、涙をこらえる男性の姿もあった。
ひとりの女性は、2011年3月11日に発生した東日本大震災の被災地、宮城県石巻市で被災者支援を続けており、「追悼行事を続けていくことの大変さを実感している」と語った。
2016年4月の熊本地震で友人が被災したという東京在住の女性は、減災・防災に関心を持つようになり、地域の活動に参加していると話した。
キャスターの有働由美子さんも、「個人として」顔を見せた。時折言葉を詰まらせながら「1月17日にこのこと(震災)があったということ、自分や家族、大切な人の命を守る日だと思って、発信を続けていきたい」とあいさつした。
幼いころに被災し避難所や仮設住宅で暮らした経験を話したのは、女優の水崎綾女さん。また、阪神・淡路大震災と同じ1995年に発生した地下鉄サリン事件で夫を亡くした、高橋シズヱさんも参加した。
同時刻に神戸・東遊園地で行われていた追悼行事とインターネットで結び、「フェイスブック」を通じて中継する試みも行われた。フェイスブック上には、震災当日以降に現地の様子を撮影した写真や動画をデジタル化して掲載し、後世に伝えようとの目的から「1995.1.17kobe」というページが開設されている。
この日、神戸の会場を訪れていた関西学院大2年生の女性は、こうしたアーカイブの活動をしており、震災の「学び」を続けていると語った。
地震発生時刻の5時46分から12時間後となる17時46分、参加者全員が黙とう。「阪神淡路大震災1.17のつどい」実行委員長の藤本真一さんは結びに、来年以降も東京で追悼行事を続けていきたいとの意気込みを語った。