心を痛めながら書いた1曲
フランスは最終的には戦勝国となりましたが、信じがたい数の人々が命を落とし、国内には毒ガスや不発弾などで21世紀の現在でも立ち入り禁止の地域を抱え、・・と深刻な傷跡を残します。「ベル・エポック」の時代は、過ぎ去ってしまうのです。そして、さらにこの悲惨な戦争を終わらせた講和条約が、ご存知のように、さらに悲惨な第二次世界大戦の遠因となるのです。
ドビュッシー没後100年の今年は、第一次大戦休戦から100年ちょうどの年でもありました。
ドビュッシーが心を痛めながら書いたこの曲をクリスマスに聴いて、平和が、音楽にとっても、クリスマスにとっても、そして何より子どもたちにとって大切なのだ、ということを噛み締めたいと思います。
本田聖嗣