ドビュッシー最後の歌曲 「もう家がない子たちのクリスマス」で平和かみしめる

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心を痛めながら書いた1曲

   フランスは最終的には戦勝国となりましたが、信じがたい数の人々が命を落とし、国内には毒ガスや不発弾などで21世紀の現在でも立ち入り禁止の地域を抱え、・・と深刻な傷跡を残します。「ベル・エポック」の時代は、過ぎ去ってしまうのです。そして、さらにこの悲惨な戦争を終わらせた講和条約が、ご存知のように、さらに悲惨な第二次世界大戦の遠因となるのです。

   ドビュッシー没後100年の今年は、第一次大戦休戦から100年ちょうどの年でもありました。

   ドビュッシーが心を痛めながら書いたこの曲をクリスマスに聴いて、平和が、音楽にとっても、クリスマスにとっても、そして何より子どもたちにとって大切なのだ、ということを噛み締めたいと思います。

本田聖嗣

本田聖嗣プロフィール

私立麻布中学・高校卒業後、東京藝術大学器楽科ピアノ専攻を卒業。在学中にパリ国立高等音楽院ピアノ科に合格、ピアノ科・室内楽科の両方でフプルミエ・プリを受賞して卒業し、フランス高等音楽家資格を取得。仏・伊などの数々の国際ピアノコンクールにおいて幾多の賞を受賞し、フランス及び東京を中心にソロ・室内楽の両面で活動を開始する。オクタヴィアレコードより発売した2枚目のCDは「レコード芸術」誌にて準特選盤を獲得。演奏活動以外でも、ドラマ・映画などの音楽の作曲・演奏を担当したり、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」や、インターネットクラシックラジオ「OTTAVA」のプレゼンターを務めるほか、テレビにも多数出演している。日本演奏連盟会員。

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