「奥様、起きてパイを焼いて!」 作曲家バックスに起きた「クリスマスの奇跡」

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高齢で創作意欲が激しく衰えていたが...

   バックスが、この「奥様、起きてパイを焼いて」を作曲したのは1945年のことです。第二次大戦で英国は疲弊していましたが、高齢のバックスも創作意欲が激しく衰えていました。この時期、ほとんど彼は作曲することが無かったのです。しかし、この年から始まったイギリスの超有名音楽祭「BBCプロムス」の発案者である、音楽学者・プロデューサーのジュリアン・ハーベッジと夫人のアンナ・インストーン夫妻に招かれ、素晴らしいパイをごちそうになり、彼の創作意欲は高まったのです。彼にとっての、小さな「クリスマスの奇跡」となったのかもしれません。3分に満たない小品ですが、躍動感のある素朴な旋律から始まるこの曲は、クリスマスのごちそうを待ちわびる子供たちのような・・・クリスマスキャロルは多くの場合、子供たちの澄んだ声によって歌われるのです・・・ウキウキした気分にさせてくれる、そんな雰囲気を持っています。

本田聖嗣

本田聖嗣プロフィール

私立麻布中学・高校卒業後、東京藝術大学器楽科ピアノ専攻を卒業。在学中にパリ国立高等音楽院ピアノ科に合格、ピアノ科・室内楽科の両方でフプルミエ・プリを受賞して卒業し、フランス高等音楽家資格を取得。仏・伊などの数々の国際ピアノコンクールにおいて幾多の賞を受賞し、フランス及び東京を中心にソロ・室内楽の両面で活動を開始する。オクタヴィアレコードより発売した2枚目のCDは「レコード芸術」誌にて準特選盤を獲得。演奏活動以外でも、ドラマ・映画などの音楽の作曲・演奏を担当したり、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」や、インターネットクラシックラジオ「OTTAVA」のプレゼンターを務めるほか、テレビにも多数出演している。日本演奏連盟会員。

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