「最近試合の中でのガッツポーズが増えていますね」
記者に指摘されたのは卓球Tリーグ、「琉球アスティーダ」の丹羽孝希選手。チームのエースは少し微笑みながら、答えた。
「勝てそうなときにやりますね。10-6になったときとか」
報道陣から、ドッと笑い声が起きた。
「1試合で数回しからやらない」
卓球の新リーグ「Tリーグ」の男子公式戦、「琉球アスティーダ」と「T.T彩たま」の試合が2018年12月10日、東京・アリーナ立川立飛で行われた。アスティーダのホーム試合が東京都内で開催されるのは初めてだ。
試合は、ホームの観客からの熱い声援を受けて、エースの丹羽孝希選手が勝負を決めた。
丹羽選手はほかの選手に比べ、控えめにガッツポーズをする。勢いよく拳を高く突き上げる選手が多い中、腕は腰の当たりまでがほとんどだ。この日は長いラリーを制したとき、勝利を収めた瞬間に見られた。
「(試合の)出だしからはやらないので。勝負どころの1本をとったとか、自分がほしい1点をとったときとか。1試合で数回しからやらないと思います」
本人はこう話す。琉球の外間(ほかま)政克監督は、こうした丹羽選手のガッツポーズは、ファンサービスにも繋がっていると見ている。
「先日(12月3日、4日)の沖縄での試合で、観客にアピールしている場面もあった。そこは本人のTリーグに対しての思い入れがあるのかもしれないですし、チームへの愛着も生まれてきているのかもしれません。たしかに最近多いし、ファンの人は喜んでいると思います(笑)」