冬になるとドライバーを悩ませるのが、凍った路面だ。気を付けて運転しているつもりでも「凍結した路面でスリップした」、「ブレーキを踏んでも車が止まらなかった」という経験をした人はいるだろう。
なかでも昨今、冬場の道路の危険現象としてツイッターで指摘されているのが「ブラックアイスバーン」だ。その「正体」を探るため、J-CASTトレンドはJAF(日本自動車連盟、東京都港区)に取材した。
アスファルトの色が見えているので油断しがち
「『ブラックアイスバーン』は路面に薄い氷の膜ができ、濡れた路面のように見える状態のことです」
JAF広報部から、このような回答を得た。ブラックアイスバーンは、見た目として道が凍っているのか濡れているのか判断がつかないのが特徴のようだ。
だが、単に濡れた道とは危険度が段違いに高い。
JAFはウェブサイトで、時速40キロで走行する車が、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が作動する急ブレーキをかけて停止するまでの距離を計測したテスト動画を公開している。その距離は、路面が雨などで濡れている状態で11メートルなのに対して、ブラックアイスバーン状態では69.5メートル、6倍以上という結果が出ている。動画ではブラックアイスバーンについて「アスファルトの色が見えているので油断しがちだが、表面が凍っているため、氷盤と同じように滑ってしまう」と説明している。
寒さが厳しい地域特有ではない!
ブラックアイスバーン状態になっている道では、スリップによる落輪や衝突事故が想定される。対策についてJAFは、「急ブレーキ・急ハンドル・急アクセルなど、『急』のつく運転をしないこと」、「前方をよく見て車間距離をあけ、早めのブレーキ操作を心がけること」を挙げた。
JAFによると、ブラックアイスバーンが発生しやすい時間は「昼間に積もった雪がとけたり、雨が降ったりした後の冷え込みが強くなる夜間や明け方」、また場所は「多くの車が停止や発進をくりかえす交差点」が考えられるという。北海道や東北などの寒さが厳しい地域特有の現象ではない。条件次第では関東でも発生する可能性があり、注意が必要だ。