かゆみ止め薬「ムヒ」で知られる池田模範堂(富山県中新川郡)は、20代~60代の一般主婦500人を対象に「冬の手荒れに関する意識調査」を実施し、2018年11月13日に結果を公表した。
ハンドクリームを塗っても「症状が改善しないことがある」半数超
「冬場の手荒れ(ひび割れ・あかぎれ)が気になるかどうか」の問いには、40.4%が「とても気になる」、35.0%が「やや気になる」と回答。これら回答者(377人)に「どのように対処しているか」質問すると、「市販のハンドクリームや治療薬を対応する」が90.5%で圧倒的多数を占めた。「皮膚科医に診察してもらう」は8.2%、「何もしない」は1.3%だった。
では、ハンドクリームで症状は軽減されているのか。500人のうち、冬場の手の甲に関して「全体的に赤く、ひび割れている」、「部分的に赤く、水や風に触れるとヒリヒリ痛みだす」、などと訴えた計327人を調査では「ヒリヒリ切れ発症者」と位置づけ、「手の甲の荒れが気になるとき、ハンドクリームを塗っても症状が改善しないことがあるか」質問した。すると「改善しないことがある(52.3%)」が「比較的改善する方だ(47.7%)」を上回る結果に。
「ヒリヒリ切れ発症者」たちがどんなハンドクリームを使っているのか調べると、最も多いのは、乾燥状態がひどくなった時に使う、医薬部外品の「保湿保護系ハンドクリーム(56.2%)」。次点で、健康な素肌を保つために日中や外出中に使うことが多い「日常系ハンドクリーム」が24.9%となり、ひび・あかぎれなどの重い症状を治したいときに使う医薬品の「治療系ハンドクリーム」は14.8%に留まった。
合計81.1%が治療系ではなく、日常系および保湿保護系のハンドクリームを使って症状を治そうとしていることを受け、池田模範堂社は「『ヒリヒリ切れ』発症時に正しいケアができていないことが改善しない要因として伺えました」としている。
調査結果について、はなふさ皮膚科の院長・花房火月氏は、
「実際に手荒れが進行していてもさほど気にせずに、日常使いのハンドクリームケアで終わっている人が多い半面、ハンドクリームでは改善しないことがあるという矛盾が生じている背景には、正しいケアができていないことが大きく関係している」
と分析。早期回復のために、症状に合わせたケアを推奨した。