2018年11月19日、日産自動車のカルロス・ゴーン会長が、役員報酬約50億円を実際よりも少なく見せかけた額を有価証券報告書に記載していたとして金融商品取引法違反の疑いで逮捕された。1999年に日産自動車へ入社して以来、辣腕をふるってきたゴーン氏だが、代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)である西川廣人氏が「長年にわたるゴーン統治の負の側面と言わざるを得ない」と語ったように、権力の集中からなるワンマン体制が今回の事態を生み出したとも言えそうだ。今回はゴーン氏のこれまでの活躍や思想など日産自動車に関する3冊をご紹介。
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リスクをとってチャレンジし続けた半生
「20年前なら人間は生まれた場所で働くのが普通だった。だが、これからは世界を舞台に働き、生活するようになる。グローバル化には犠牲も伴う。私も様々な犠牲を払ってきた。それでもグローバル化は人の限界を取り除き、新たな可能性に気づかせてくれる。日本人の多くもそんな時代を生きることになる。(本書より)」
日本とフランス、2つの国で大企業のトップを務めたレバノン出身のブラジル人、カルロス・ゴーン氏。『カルロス・ゴーン 国境、組織、すべての枠を超える生き方』(著者:カルロス・ゴーン 日本経済新聞出版社 1728円)では、国境も企業の壁もすべての枠組みを超えて挑戦し続けたゴーン氏がそれまでの人生を振り返る。
「私の履歴書/多国籍世界の住人、コストカッター、リバイバル(再生)、危機、そして新たなる挑戦、アライアンス」、「カルロス・ゴーン名語録」「エピローグ」。本書は日本経済新聞に連載された「私の履歴書」をまとめたもので、エピローグは書き下ろし。