マッチングアプリで男性50人と「面談」 「未来の夫」探しに妥協なき女性の物語

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   今では男女の出会いツールとして認知されつつある「マッチングアプリ」。ただ、これまで手を出したことのない人にとってはなかなか実体がつかめず、「怖い」「信用出来ない」と一歩踏み出せないのも事実...。

   そこで今回は、マッチングアプリを通じ、約1年半で約50人の男性と会った、32歳の会社員・Aさんにインタビュー。始めようと思ったキッカケから、マッチングアプリのメリット・デメリット、そして現在の状況を語ってもらいました。

  • この日を迎えるまでは…
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「結婚したい!」ちゅうちょしているヒマはない

   ―最初に、マッチングアプリでの婚活はいつから始めましたか?

2017年の春から始めました。それまでは、毎日合コン三昧の毎日を送っていたんですよ。何度幹事やったか...ってぐらい、合コン漬けの日々でしたね。でもある時に思ったんです。「これって効率的じゃない」って。1日の時間って限られているじゃないですか、その中で会える人も限られている。だったら、自分が好むスペックの男子と会える方がよっぽど効率的だ!って...。そういう思いもあって、マッチングアプリを始めました。

   ―最初は、何ていうアプリから始めたんですか?

まずは、周りの友人もやっていた「ゼクシィ恋結び 」ってアプリに手を出してみました。最初はいまいち使い方も分からなかったんですけど、仕事上、SNSには強いタイプだったので、慣れたらやり方もすぐ飲み込むことが出来ました。しかも、「年齢」「身長」「体重」といった簡単なベース以外にも、「年収」「結婚時期について」「婚姻歴」「兄弟姉妹」といったスペックも調べられたので、かなり自分の好きな条件を検索することが出来ました。

   ―そこからはどういうやり取りを?

「この人、タイプかも!」とか「会ってみたい!」と思った人には、ひたすら「いいね!」を押しまくりました(笑)。そこから相手も「いいね!」を押してくれると、メッセージの交換が出来るんですよ。メッセージのやり取りを何回かしたら、LINEのIDを交換して...といったパターンもあったりしましたね。メッセージよりもLINEの方が断然、やり取りがスムーズですし!

   ―マッチングアプリの根本的部分だと思うんですが、見ず知らずの人と会うことに抵抗はなかったですか?

う~ん、それはなかったですね。だって、こっちは人生でいう大舞台の「結婚」が掛かってるわけじゃないですか!?こんなところでちゅうちょしていたら時間がもったいないですよ。私は、とにかく「結婚したい!」って気持ちが強かったので片っ端から「いいな!」と思う人には会っていきましたね。ただ...。

   ―ただ...?(汗)ただ、なんですか!!!?

実は、まさかの最初に会った1人目の人と付き合うことになったんです。

   ―えっ!?いきなりですか?(汗)

はい...。めちゃくちゃ会話が楽しい人で、顔も自分の好みだったこともあって時間があっという間に過ぎちゃったんです。「この人ならずっと一緒にいたいかも!」なぁんて思っていたら、会ったその日に彼から告白されて...。

   ―会ったその日に告白ってヤバ...。いや、とてもいい出会いですね(笑)

そう思って私も付き合ったんですけど...。

   ―けど...!?

その彼とは、1か月ぐらいで別れちゃいました。

   ―いや、それもまた急っっ!!(笑)ちなみに別れた原因は?

私は真剣にお付き合いしたいと思っていましたよ!!でもある時に、友人から「これって、Aちゃんの彼氏じゃない?」って突然、他のマッチングアプリにログインしている彼の画面キャプチャーが送られてきたんですよ。彼、自信あるのか同じ写真を使っていたので...(笑)

   ―うわ...。そんなことってあるんですねぇ。

今から思えば、彼は色々なマッチングアプリを徘徊している、かなりのつわものユーザーだったみたいです。もちろん彼にその事実も伝えたんですけど、「仕事の都合で、やむを得ず使ってる」って、ちょっと怒りながら言われたんです。返し方も微妙で、この人、誠実じゃないかも...って思って別れを決意しました。

会った男性のデータをエクセルで管理

   ―その後は...?

それからは、とにかく色々な人と会いまくりましたよ!結果的には50人ぐらいの男性と会たかなぁ(笑)

   ―えっ!!50人も...?それはすごい...。

ただ、途中で困ったことが起きたんです。色々な人に会っていたら、「この人はどういう人だったか」とか「どういう会話をしたか」といった初歩的なことが分からなくなってしまったんです(苦笑)。LINEが来てもアイコンを設定していない人だと、「ヤバ...。これって誰だっけ?」「いつ会ったっけ?」みたいな。

   ―さすがに何人も会っていたら、誰が誰なのか分からなくなってきそうですね(笑)

こっちも真剣だから、どういう人か分からなくなるなんて、超失礼な話じゃないですか!?なので、10人目あたりからデータをまとめることに徹しました。

   ―データ!?まとめる!?

そうです!私はエクセルで管理していたんですが、「ファーストデートの印象」「会話の内容」「性格の特徴的部分」「相手の家族構成」といったことを書き出して、総合的には★5段階を付けていました。途中から仕事の"案件"みたいになっちゃったんですけど(笑)、事故出来ない物件ばかりだったので、このエクセル表はかなり役立ちましたね!

   ―何だか本当に仕事じゃないですか(笑)

いつしか"一次面接"を通過して、"二次面接"に行く方は、そのデータを見て挑むのが私の婚活スタイルになっていました。途中から1クラスを請け負う"先生"みたいになっちゃってる自分が居ましたね(笑)

   ―エクセルにまとめていたとは!!まさに"先生"ですね(笑)

結果的に3か月ぐらいで50人ぐらいと会いましたよ!月末になると、目標としているノルマを達成出来ないかも...って焦っている自分もいて、ある時の土日は昼・夜で会ったりもしました(笑)。

   ―昼・夜で会うなんて本当に仕事の面接ですね(笑)。自分の気持ち的にはどうでしたか?疲れたりしなかったですか?

自分がセグメントを切っているだけかもしれないですけど、途中から「これよりも上がいるかも!」って気持ちになってきちゃいましたね。まさに「青い鳥症候群」に陥った瞬間でした。その時は、「こういう気持ちになっちゃうのってマッチングアプリが原因かも...」って少なからず気付いていたんですけど、やめることはしなかったですね。もちろんメリットも沢山ありましたし!

変な「優しさ」はいらない

   ―例えば、どういうメリットですか?

このコラムを見ている男性陣からは反感をくらいそうですが(笑)、正直、女性はかなりお得だと思いました。9割方、御馳走して頂いたので、食費はかなり浮きました。美味しい物も食べられたし。あとは色々な職種の人とも会えて、異文化交流といった感じで知識も増えていきました。

   ―デメリットは、「青い鳥症候群」以外にありましたか?

焦燥感が増幅していった感じはありましたね。あと"案件"を並行的に走らせていた手前、1人の人に決められなかったり、付き合った人がいても、長くて3か月だったので、本当に「私、結婚出来るのかなぁ...」って。あとは、写真と全く違う人が来ちゃったこともありましたよ(笑)。案外、盛ってるのは女性だけじゃないですよ!男性も多かったですね。

   ―ちなみにその時の反応は!?

顔がメインではなかったんですけど、時間を無駄にしたくないって思っていたので、そういう人からは2杯目を勧められた時に「もう結構です!」って言って帰ることが多かったです。そうなると、相手も悟って連絡して来ないですし...。マッチングアプリって恋愛で言う、「どうかな?」「イケる?」みたいな期間はなくていいと思うので、そういう意味では楽に進められました。私だけかもしれないですが、「結婚」を意識してマッチングアプリをやっている人に、変な「優しさ」はいらないんです。

   ―なるほど...。中々シビアですね。

そりゃそうですよ!!なぜなら目標が「結婚」だからです!ちなみにここまでだとかなり私が悪女になってると思うんですけど、もちろん私も男性からこういった対応をされたこともありますからね!結婚は遊びじゃないですからね、みんな真剣勝負なんです。

   ―そんな真剣勝負から現在は!?

アプリを初めて1年8か月後に今の彼と出会いました。第一印象は「写真よりも素敵!」といった感じで、最初のデートは、彼が予約してくれていた魚介系の居酒屋に行きました。2件目にはバーに行ったんですが、互いに探り合っていたと思います。

   ―探り合うってどういう感じですか?

例えば、「結婚する意識はあるのか」「子どもは何人ほしいのか」など、結婚に関する踏み切った話をする感じです。だってそこで価値観が合わなければ、次はないので!!あと、彼とは「周りが結婚してきて焦っている」といった、私がマッチングアプリを始めた動機も同じだったんですよね。だから考え方が合うかもしれないなぁと思って...。

   ―その日は、バーで終わりですか?

当たり前じゃないですか!!何十人と会っている私でも簡単にはヤリませんよ!!その日はバーだけで帰って、私からお礼のLINEをしたんですよ。そしたら彼からお礼LINEが来るのと同時に、ネクストデートの予定を聞いてきてくれたんです!!

   ―おおお!彼も乗り気だったわけですね!

めちゃくちゃ嬉しかったですね!その後は、LINEで1日に2ターンぐらいのやり取りを続けて、2週間後ぐらいに再会したんです。まずは焼鳥屋さんへ。その後はまたまたバーへ行ったんですけど、そしたら...。

安心して信頼出来る彼に出会えた

   ―そしたら何ですか!!!!!

その時に「好きなんですけど付き合ってもらっていいですか?」と告白されて...。ただ、ちょっと早くないかなぁとは思ったんでけど、彼からの押しもあって「私で良ければ...!」って返し、お付き合いがスタートしました。

   ―そんな彼とは順調ですか?

ようやく付き合って3か月なんですけど、かなり順調です。31歳で、1歳違いと年齢が近いので一緒にいて楽しいですね。毎週末、ご飯に連れて行ってくれたり、3連休は旅行の計画も立ててくれる、優しい彼です。

   ―実際に結婚の話も出ていますか?

最初は頻繁に「結婚」のワードが出ていたんですが、今はお付き合いを続けていくうちに「結婚」というワード自体が「緊張感」を持つものに変化していきました。まだ3か月だし、早期的決断をする感じでもないから、互いに言い辛くなってきたのかなぁとは思いますね。ただ、年末に私の地元に旅行に行くんですが、その時に実家に寄ってもらおうとは思っています。つまり、地盤固めです。

   ―こ~んな沢山の人と会ってきたAさんでも、結婚ってなると慎重になるんですね(笑)

そりゃそうですよ!!今回の彼は、本当にいいなぁって思ったので、このまま彼と結婚したいと本気で思うようになってきましたし!!何よりも自分が疑うことなく、安心して信頼出来る彼に出会えたことが心から幸せなんです。

   ―何だか本当に幸せそうですね!

これまで色々ありましたけど、今の彼と出会わせてくれたマッチングアプリには感謝の気持ちでいっぱいですね。あの時「やってみよう!」って思えて本当に良かったと思います。

   ―では、最後にこれまでマッチングアプリをやったことのない人にメッセージを!

まだやったことのない人にとっては、ぶっちゃけ抵抗感も多いと思うんですよ。ただ、合コン三昧を送っていた私からしたら、自分の好きな条件を絞れたり、相手の顔も見えたり、出会うのには、かなり手っ取り早いと思いました。最近は、私の周りにも「ぺアーズで知り合って結婚しました」とか「Omiaiで彼氏出来ました!」って人も多くなってきていますし、何よりも私がこれまで模索していた「結婚する相手」=「〇〇な人」といった答えがようやく出たことが自分にとっては勉強になりました。結局、お金や役職じゃない。「誠実な人」が1番です。それに気付けた1年8か月でしたし、あの時、マッチングアプリをやっていなかったら、今の私はいなかったと思います。

   ―マッチングアプリを始めたからこそ、今の彼と出会えたわけですね。2人が結婚することを心から願っています!!ありがとうございました!



   マッチングアプリを始めるまでは、自分にとってどういう人が結婚の条件かいまいち分からなかったと言う、Aさん。ただ、マッチングアプリを通し、結婚相手はもちろん「自分探し」という答えを見付けられたのだとか...。

   Aさんにとってマッチングアプリは結婚という目標を達成させてくれるだけじゃなく、自分を見つめ合う時間も与えてくれたのかもしれないですね。

   まだ一歩踏み出せていない人は、まず「ご飯に行ってみようかな!」と軽い気持ちで手を出してみるのもいいの...かも!

grp編集長・安部舞紗

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