日本テレビのバラエティー番組「世界の果てまでイッテQ!」に「でっち上げ」疑惑があると報じられ、社長が謝罪する事態となった。テレビの「やらせ・捏造」問題は、これが初めてではない。なぜ、繰り返されるのか、背景に何があるのか。今回は現場の立場からテレビの実態を明らかにし、構造的な問題点を解き明かす。
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生々しい現場の実態を明らかに
「そもそも本来テレビ報道は、われわれの知る権利に応えるジャーナリズムの一翼を担っている。にもかかわらず、今やその機能がどんどん衰えている」――『内側から見たテレビ やらせ・捏造・情報操作の構造』(著・水島宏明、朝日新聞出版、821円)は、そう訴え、テレビに騙されないための知識を伝授する。
著者は札幌テレビに就職、記者やドキュメンタリーを制作、海外特派員も歴任。日本テレビへ転籍後は情報番組の解説キャスターも経験した。ドキュメンタリー「ネットカフェ難民 ~漂流する貧困者たち」で2007年度芸術選奨・文部科学大臣賞を受賞している。そんな体験から「テレビで働く人々がなぜ捏造やミスをしてしまうのか、どんな事情があるのか」と現場の生々しい実態を明らかにし、テレビの見方を示す。
目次は「なぜ報道は大切なことを伝えないのか」「テレビ局が陥ったやらせ・捏造の内幕」「テレビは権力の監視を果たせているのか」「テレビの希望はどこにある?」など6章。