飲食事業「ダイヤモンドダイニング」創業者で、「DDホールディングス」社長・グループCEO(最高経営責任者)の松村厚久氏のこれまでの人生を描いたドキュメンタリー映画「熱狂宣言」。初日舞台挨拶が2018年11月4日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた。
主演は松村氏本人だ。この日、監督を務めた奥山和由氏、DDホールディングスの広報で映画プロデューサーの江角早由里氏とともに登壇した。MCは「J-CASTニュース」名誉編集長で、お笑いコンビ「南海キャンディーズ」の山里亮太さん。軽妙なトークで、ユーモアあふれる松村氏の人柄を引き出した。
女性を怒らない理由に思わずツッコミ
現在51歳の松村氏は、30代後半で難病「パーキンソン病」を患うも、約10年間病状を隠して仕事を続けていた。2015年、幻冬舎より刊行されたノンフィクション書籍「熱狂宣言」(著・小松成美)で病気を公表。書籍は実売約10万部を記録するヒットとなり、このたび本人出演で映画化された。
松村氏のもとで約10年仕事をしている江角氏は、「女性(社員)には怒らない」という松村氏の一面を明かした。松村氏は「男性(社員)には怒る」として、その理由をこう話した。
「もともと女性にモテたくて起業したのに、女性に嫌われたらもとも子もない」
山里さんは「むちゃくちゃナンパな男じゃないですか」とツッコミを入れて会場を笑わせた。
奥山監督は松村氏について「欠点が魅力的」だとして、「女好きだし、ダジャレが全部スベるのに言うし。そこが可愛らしいの」と語る。松村氏はどこか照れくさそうに聞いていた。
今回の映画では、松村氏の日常をそのまま出している。奥山監督は「(ここは写してはいけないといった)タブーは(松村氏からは)まったくありません。それなら傑作とれるかなと思った」と、映画化に踏み切ったという。
「唯一撮り直したい」シーンは...
登壇者がそろって、映画の見どころのひとつにあげるのが、松村氏がカラオケで歌う「『レイニー・ブルー』(徳永英明)の下手くそさ」(奥山監督)だ。
映画でありのままの姿をさらけ出す松村氏が「唯一撮りなおしてほしい」と言ったのが、このシーンだと奥山監督が明かした。江角氏も「もうちょっとうまく歌える曲があるといって、私も何パターンも撮ったんですけど、ことごとく奥山さんが『これは使わない』って言って(笑)」と制作の裏側を暴露した。一方で、松村氏は「(映像を見たら)思ったよりも歌えていなかった」として「あれ以来(レイニー・ブルーは)歌っていない」と。若干しょんぼりした様子だった。
山里さんは「なかなか個性的なレイニー・ブルー」としつつ、こう評した。
「ただ上手い下手とかじゃないんですね。『レイニー・ブルー』にいきつくまでのところが、むちゃくちゃいいんですよ。そこであの歌が流れると、すごいしみるんですよ」
最後に、山里さんは映画の魅力をこうアピールした。
「松村さんは、呼吸するように頑張ろうという気持ちにさせてくれる人。この映画を見た人は、何かに向けて頑張ろうという気持ちになれると思います」
映画は11月4日から「TOHOシネマズ六本木ヒルズ」で公開中。