ジャーナリストはなぜ危険なところへ行くのか 取材の「重要性」と「自己責任論」

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戦地取材の魔力にはまったカメラマン

   『戦場中毒 撮りに行かずにいられない』(著・横田徹、文藝春秋、1620円)は、戦地取材の魔力にはまった日本人カメラマンの壮絶な体験記である。「(中略)私はアフガニスタンでの従軍取材、そして危険が生み出す興奮に満ちた『戦場』という麻薬の虜になった。最高の幸せだった」と語る。

   カンボジアでは初めての戦場で死体の山を撮った。アフガンではタリバン、米軍双方に取材し、至近距離に砲弾が炸裂した。シリアではイスラム国の拠点取材に成功したが、国境で窮地に陥った――。「名ばかりの"戦場カメラマン"はこの人の前ではハダシで逃げ出す」と、「不肖・宮嶋」こと、報道カメラマンの第一人者といわれる宮嶋茂樹氏に「横田氏こそホンモノ」と太鼓判を押された。

   第1章の「同時多発テロ以前――タリバン従軍」から「インド洋・リビア」、「流浪の聖戦士」など全11章。1997年からフリーの報道カメラマン。2010年に中曽根康弘賞・奨励賞を受賞した。

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