2015年に発売されたソフトバンク社の人型ロボット「pepper(ペッパー)」。導入した企業は今、どう活用しているだろう。
回転ずしチェーン「はま寿司」は現在も全店(2018年10月現在、498店舗)でペッパーを導入している。はま寿司を展開するゼンショーホールディングスの広報室に、その働きぶりを聞いた。
「大きいし邪魔」ネットでは厳しい意見も
朝日新聞出版社のニュースサイト「AERA dot. (アエラドット) 」が2018年10月25日に配信した「ペッパー君さようなら 8割超が"もう要らない"」がネットで反響を呼んだ。記事によると、日経BP社のニュースサイト「日経×TECH(クロステック)」がペッパーの導入を表明している44社を対象にアンケートを実施したところ、27社から回答を得たが、「更新予定」と答えた企業は27社中4社(15%)のみだったという。
記事を受けて、ツイッターではペッパーに対して「たしかにいらない」「大きいし邪魔」との声が少なくなかった。
だが一方で、「ペッパー君をまともに扱えてる企業、はま寿司しか見たことない」「はま寿司のペッパー君は有能」「はま寿司のペッパーくん結構好き、いつも頭撫でてしまう」と、はま寿司でのペッパーの働きぶりを評価する声も目立った。
ゼンショーホールディングスの広報担当者によると、ペッパーの契約は2018年10月以降も「更新」したとして、現在も全店舗で導入している。
接客のクオリティーアップに貢献
ペッパーは「いち従業員」として、主に「受付・案内」業務で活躍中だ。専用のアプリケーションを搭載して、はま寿司独自の座席管理システムと連動しており、来客の人数や希望する座席の種類をヒアリング。空席がある場合は座席の番号札を発券して案内する。満席の場合は整理券を出し、座席が用意できたら客を呼び出して座席番号札を発券、案内する仕組みだ。混雑時には待ち時間に来客、特に子どもがペッパーを見て楽しんでいる姿も見かけると、ゼンショーの広報担当者は話した。
ペッパーが来客対応することで、レジの会計などの別の業務にスタッフが集中でき、接客のクオリティーが上がる。同じ職場のスタッフからも「助かっている」と好評だという。
今年5月からは日本語に加え、英語・中国語への対応も開始した。外国人客の接客に役立つと、ペッパーの働きぶりを高く評価している。
最後に、前出の担当者はこれまではペッパーを「ストレスなく運用できている」として、ペッパーの機能のブラッシュアップを続けながら、「今後も一緒に働いていきたい」と話した。