秋になるとゴキブリの活動量が増すのだろうか。J-CASTトレンドの記者の自宅はゴキブリ駆除用品を置いて対策を取っており、普段はほとんど遭遇せずに済む環境なのだが、10月だけで3匹のゴキブリが玄関や洗面所、そして台所に出た。過去にこれほど出没したのは、記憶にない。
試しにインターネットで「ゴキブリ 秋」と検索すると、Q&Aサイトの「Yahoo!知恵袋」では「秋に見かけた」、「秋くらいに出た」という投稿が見つかった。読売新聞が運営する女性向け掲示板「発言小町」には、「ごきぶりは秋に良く出る??」というトピックスが実際にある。ゴキブリは秋に数を増やし、そして家屋に浸入してくることが多いのか。
夏の猛暑が秋の「多発」に影響する?
この疑問を、蚊対策の情報を提供する研究所で、害虫についても詳しい害虫防除技術研究所/有限会社モストップの白井良和氏に電話とメールでぶつけてみた。すると、
「ゴキブリは年中、どこにでもいます。『多い』というと、秋よりもむしろ夏ですね」
という回答が返ってきた。気温が高いと増殖しやすく、エサも豊富だからだ。
しかし「地域差がある可能性も考えられる」とも。神奈川県川崎市では真夏にピークがあるとする論文がある一方で、少々古いが1960年代の論文によると、岐阜県では秋がピークとしているものもあるとの話だ。さらに
「2000~2002年に東京都港区で調査された2003年の論文では、クロゴキブリやヤマトゴキブリが10~11月頃ピークになっている図を示しています」
との説明もあった。
今年の夏は、記録的な猛暑に豪雨続きだったことは記憶に新しい。「そういった異常気象が、秋に生まれるゴキブリの数に影響を与えることはないか」とも尋ねてみた。すると、豪雨によってゴキブリやその卵、巣などが家や森ごと流されて減る場所もあるものの、気温が高かったために夏に増殖し、そのまま秋に多くなることは考えられるそうだ。