東京の銀座・有楽町エリアに開業する商業施設「ヒューリックスクエア東京」の地下1階に、2018年11月1日、「KIKKOMAN LIVE KITCHEN TOKYO(キッコーマン ライブキッチン東京)」がオープンする。
その記者発表会が10月25日に同レストラン内で行われ、プロデュースにあたるキッコーマン(千葉県野田市)の代表取締役社長 CEO(最高経営責任者)・ 堀切功章氏をはじめ、シェフの村田吉弘氏、三國清三氏、脇屋友詞氏、アドバイザーの服部幸應氏が挨拶に立った。発表会後、J-CASTトレンドでは11月に提供開始するコース料理を考案したシェフ3人に独占インタビューを行い、和食・フレンチ・中華のコラボレーション料理の開発エピソードを語ってもらった。
三國シェフ「ジャンルが違っていても、『波長』が一緒」
和・洋・中それぞれの巨匠に最初に質問したのは、「今回のコラボレーションで苦労したことはなかったか」。まず答えてくれたのは、「オテル・ドゥ・ミクニ」のオーナーシェフである三國氏だ。
「僕らは常日頃から各お店の料理を食べに行っているし、飲み会はよくやっているし...ジャンルが違っていても、『波長』が一緒だから。あ、『性格』は別ですけど(笑)」
笑いを交え、開発がスムーズに進んだ様子をこう表現した。
中国料理レストラン「Wakiya 一笑美茶樓」や「Turandot 臥龍居」などを手掛ける脇屋氏は、「量」や「バランス感」を苦労した点として挙げ、「満足度や満腹感を何度も確かめました。その中で『これをもうちょっと減らした方が』とか、増やすところは増やすとか」と試行錯誤を重ねた過程を語り、「最初はもっとポーションが大きかったんですよ」と当初のコース料理のボリュームが、正式決定したものより多かったことを明かしてくれた。京都の老舗料亭「菊乃井」の村田氏も「僕らが食べても食べきれないほどあった。みんな、これでもかというほど作るから」と笑いながら回想していた。
同年代シェフが築いた「横のつながり」
シェフたちは、新レストランのテーマ「融合」についても触れた。現在、村田氏は67歳、三國氏は64歳、脇屋氏は60歳と同年代だ。三國氏が「我々の前の代は、和・洋・中とジャンルが全く違うシェフや献立が一緒になることはまずなかった」と振り返ると、村田氏も「ジャンル間で交流はなかった。僕らの代からよね、『食は食』で固まって横のつながりができたのは」と頷いていた。
「KIKKOMAN LIVE KITCHEN TOKYO」は「融合」というテーマのもと、世界のあらゆる「食」を合わせたコース料理を提供していく。キッコーマンの堀切社長によると、「毎月、国内外で活躍する異なるジャンルのシェフに2人、ないしは3人でコンビを組んでもらい、コース料理を開発していただく」とのこと。さまざまなジャンルのシェフたちによる「共演」が期待できそうだ。