社内のコミュニケーションも円滑に
――J-CASTニュース会員はビジネスパーソンがたくさんいます。アナログゲームはビジネス面でも役立つのでしょうか。
朝倉 いちビジネスパーソンとして言わせてもらうと、めちゃくちゃ役に立ちます!
プログラマーやデザイナーの方は、パソコンに向かって仕事をしている時間が多いと思いますが、そうすると会社へのロイヤリティが上がらないじゃないですか。みんなで協力して目標を達成するチームビルディング系のゲームをすると、そのまま協力的な雰囲気になります。社内のコミュニケーションが円滑になる感じがありますね。
あだち先生もおっしゃっていますが、アナログゲームで遊ぶと社員の人柄が分かるというのが面白い。営業職は人狼系のコミュニケーションゲームが得意だし、クリエイターは言語系のゲームをすると本気になる。普段はおとなしい人が、反射神経を競うようなゲームをすると飛びぬけて上手だったり。この人は、こんなことが得意なんだと分かると、社内でまたひとつキャラクターが立ちますよね。
――広告のお仕事をなさっている朝倉さんから見た、アナログゲームの魅力とは?
朝倉 アナログゲームのカードやコマのデザインを見るだけで刺激を受けて、勉強になりますよ。世の中はデジタルにシフトしていますが、まだまだアナログな紙でクリエイターができることはあるんじゃないかと再認識します。
あだち これはドイツの「Geisterwäldchen」(日本語版は「おばけのもり」)というゲームです。デザインと立体物がとてもいいでしょう? ドワーフのコマと、子どもたちのコマが磁石でくっつくようになっています。やっぱりデジタルだと味気ないじゃないですか。アナログゲームは解説書を読む必要がありますが、このゲームも見ての通り、文字がありません。どんな言語圏でも遊べるようなユニバーサルデザインになっています。
ドイツはアナログゲームがとても盛んで、毎年開かれる「Essen Spiel」(エッセン・シュピール)は、東京ドーム3個分くらいの広さの会場に2000タイトル以上のゲームが集まる祭典です。4日間で18万人が集まり、会場内で自由に「混ぜて!」と一緒に遊べて、購入もできるんです。