一般紙でも扱えるか
ツイッターでも26万超のフォロワーがいて、積極的な発信を続ける町山さん。上記の取材はテレビ向けのもので、大切な情報は放送されたコンテンツに尽きているだろう。副産物のこのエッセイは、イベントの背景や裏話に、「どんな体も素晴らしい運動」をめぐる最近の騒動を加えて構成したものだ。
と、ここまで書いてきて、今回はやや勝手が違うと気がついた。これまで私が「コラム遊牧民」で取り上げてきた文章と異なり、これといった「主張」がないのである。あえて抜き出せば「警察が協力するのは当たり前」の部分くらいだ。
全裸でのイベントを肯定的に体験取材していることから、読後感として町山さんの共感は伝わる。ただ、それが自身の言葉で明示されておらず、総じて現地報告的なトーンである。
もちろん「珍体験」自体に価値があるので、読み物としては「あり」だ。日本人識者による賛否双方のコメントでもつければ、一般紙に載っていても違和感はない。
写真の選択には苦労しそうだが。
冨永 格