全裸の自転車パレード 町山智浩さんは半裸で走って「脱ぎ損」に

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

一般紙でも扱えるか

   ツイッターでも26万超のフォロワーがいて、積極的な発信を続ける町山さん。上記の取材はテレビ向けのもので、大切な情報は放送されたコンテンツに尽きているだろう。副産物のこのエッセイは、イベントの背景や裏話に、「どんな体も素晴らしい運動」をめぐる最近の騒動を加えて構成したものだ。

   と、ここまで書いてきて、今回はやや勝手が違うと気がついた。これまで私が「コラム遊牧民」で取り上げてきた文章と異なり、これといった「主張」がないのである。あえて抜き出せば「警察が協力するのは当たり前」の部分くらいだ。

   全裸でのイベントを肯定的に体験取材していることから、読後感として町山さんの共感は伝わる。ただ、それが自身の言葉で明示されておらず、総じて現地報告的なトーンである。

   もちろん「珍体験」自体に価値があるので、読み物としては「あり」だ。日本人識者による賛否双方のコメントでもつければ、一般紙に載っていても違和感はない。

   写真の選択には苦労しそうだが。

冨永 格

冨永格(とみなが・ただし)

コラムニスト。1956年、静岡生まれ。朝日新聞で経済部デスク、ブリュッセル支局長、パリ支局長などを歴任、2007年から6年間「天声人語」を担当した。欧州駐在の特別編集委員を経て退職。朝日カルチャーセンター「文章教室」の監修講師を務める。趣味は料理と街歩き、スポーツカーの運転。6速MTのやんちゃロータス乗り。

姉妹サイト