「平成最後の○○」のフレーズが、メディアで見られるようになった。2019年5月に向かって、平成との「別れのカウントダウン」が始まっている。
そんな中、出版社の宝島社が「さよなら『平成』ステーショナリーBOOK」を発売した。クリアファイル、マルチポーチ、メモ帳、ふせんの4点セットが付いた本だ。宝島社の編集担当者に、商品化の意図を取材した。
「誰かと思い出を語り合ったりするきっかけに」
2018年9月29日に発売されると、ツイッターでは「欲しい」「パンチきいてる」といった書き込みが相次いだ。一方で、「平成」を大々的に押し出したデザインに、「ネタなのかマジなのか」とターゲット層や商品化の理由を気にする声も目立った。
「昭和の終わりに生まれた」という宝島社の編集担当はJ-CASTトレンドの取材に、商品のメインターゲット層は30代~60代の男女だとして、こう続けた。
「『平成』という時代には自分の青春や、社会人になってからの経験など、様々な思い出が詰まっています。私と同じような昭和生まれの人に、懐かしい気持ちになってもらったり、誰かと思い出を語り合ったりするきっかけになれば良いなと思い、今回の商品を企画しました」
小渕元官房長官が掲げた「平成の書」を再現
商品は、A5サイズの用紙が入るクリアファイル、A6サイズのノート、ノートがちょうど入る大きさのマルチポーチ、横5センチ×縦7センチのミニふせんが付いている。これらすべてに国立公文書館所蔵の「平成の書」を再現した「平成」の文字がプリントされている。
比較的小さいサイズ、そしてデザインには以下のこだわりがあると前出の担当者は話す。
「気軽に持ち歩けるものを目指してコンパクトにし、小渕恵三元官房長官が掲げた『あの「平成」の文字』を表せるように、一貫して四角い形のステーショナリーにこだわりました。デザイン面では、習字の文字のかすれ具合まで忠実に再現し、文字の雰囲気感を失わないように注意しました」
昭和64年1月、当時官房長官だった小渕氏は新元号発表の際に「平成の書」を掲げ、「新しい元号は平成であります」とアナウンスした。この映像は、今でもたびたびテレビで流れている。今回のステーショナリーでは、特に「成」の字のはらい部分やはね部分にこだわったという。
自分用に購入して思い出にひたるほか、「忘年会などイベントでの景品や、一発芸の小道具にするなど、気楽に使ってもらえたらうれしいです」。
価格は税別1280円。