紫外線可視化を美容分野にも活用目指す
もうひとつ、記者が驚いた技術は「UV(紫外線)の可視化」だ。東北大学大学院と共同開発した「UVカメラ」を使って撮影した映像が、モニターに映し出された。真夏日の太陽の約2倍に相当する紫外線を当てたシリコン製の「手」だ。だが、手の甲の一部だけが真っ黒になっている。これは直前に「UVクリーム」を塗った部分で、クリームが吸収している紫外線に反応して、UVカメラが黒く可視化したのだ。一方で、人工のライトのような紫外線を含まない可視光を使って手を撮影したカメラでは、手はどの部分も同じ色だった。
数時間後にUVカメラの映像を見ると、真っ黒だった手の部分は灰色になっていた。つまり、UVクリームの紫外線を吸収する効力が弱まってきたということを意味する。エイブリックの担当者は、これをUVクリームの塗り替えの目安にするなど、今後は美容・ヘルスケア分野での活用なども考えていきたいと話した。