福耳、20周年
「星のかけらを探しに行こう」は続く

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「シンガー」と「ソングライター」

   福耳という名前は、そもそも98年に札幌にZEPP SAPPOROが出来た時のこけら落としライブの名称。そこで杏子・山崎まさよし・スガシカオの3人が杏子の95年のシングル「星のかけらを探しに行こう」を歌ったことから始まっている。

   イベント名がユニットの名前になり「星のかけらを探しに行こうagain」としてCDデビュー、それ以降、事務所に新たに加わったアーティストが随時参加するプロジェクトとして続いてきた。きっかけとなったZEPP SAPPOROのライブの日から20年後の今年の4月12日に発売になった配信限定シングル「イッツ・オールライト・ママ」には今の所属アーティスト13組が参加している。

   8月22日に出た「ALL TIME BEST~福耳20th Anniversary」は、最初のシングル「星のかけらを探しに行こうagain」からの全シングルと新曲「八月の夢」が収録されている。「八月の夢」は作詞作曲がCOILの岡本定義、編曲がスキマスイッチ、歌っているのは杏子、元ちとせ、山崎まさよし、大橋卓弥、秦基博。「雨上がりの空に星のかけらを探してたこと決して忘れない」という歌詞は、RCサクセションの「雨上がりの夜空に」と福耳の「星のかけらを探しに行こう」へのオマージュを思わせた。

   ただ、アルバムが「ALL TIME BEST~福耳20th Anniversary」一枚だったら、こんな風に紹介するまでにはなっていなかったとも思う。同じ所属事務所のアーティストが参加したということに留まらないクリエイティブなプロジェクトだと思わせてくれたのが同じ日に出たもう一枚のアルバム「シンガーとソングライター~COIL 20th Anniversary」だった。結成20周年で初めて発売される福耳のオリジナルアルバムになる。

   「シンガーソングライター」ではない。「シンガー」と「ソングライター」である。

   「シンガー」として参加しているのは前述のアーティストを中心にした総勢10組。「ソングライター」として、やはりデビュー20周年を迎えるCOILの岡本定義が全曲の詞曲を書いている。

タケ×モリ プロフィール

タケは田家秀樹(たけ・ひでき)。音楽評論家、ノンフィクション作家。「ステージを観てないアーティストの評論はしない」を原則とし、40年以上、J-POPシーンを取材し続けている。69年、タウン誌のはしり「新宿プレイマップ」(新都心新宿PR委員会)創刊に参画。「セイ!ヤング」(文化放送)などの音楽番組、若者番組の放送作家、若者雑誌編集長を経て現職。著書に「読むJ-POP・1945~2004」(朝日文庫)などアーテイスト関連、音楽史など多数。「FM NACK5」「FM COCOLO」「TOKYO FM」などで音楽番組パーソナリテイ。放送作家としては「イムジン河2001」(NACK5)で民間放送連盟賞最優秀賞受賞、受賞作多数。ホームページは、http://takehideki.jimdo.com
モリは友人で同じくJ-POPに詳しい。

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