7曲の組曲、すべて演奏しても15分弱
のどかな昔話的物語にミヨーがつけた音楽は、メロディーはわかりやすく、親しみやすいものでありながら、ハーモニーは、20世紀の新しさを感じさせる斬新なものでした。映画音楽から抜き出して7曲の組曲とされた「ルネ王の暖炉」は1曲1曲も短く、すべて演奏しても15分弱の演奏時間であることもあり、近代木管五重奏の中で、もっとも有名な曲となり、同時にミヨーの代表曲ともなったのです。
木管の暖かい音色を聞いていると、なんとも暖かい気分になります。ルネ王が日向ぼっこしている様子を、プロヴァンス出身の暖かな作曲家、ミヨーが、素晴らしい曲にまとめ上げた、寒くなるシーズンに聴きたい1曲です。
本田聖嗣