ボケないアロマテラピー 帯津良一さんは「匂いで記憶を活性化させよう」と

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五感の刺激で生命力が

   おじさん週刊誌、おばさん週刊誌ともに、健康コラムの潜在ニーズは高い。連載筆者の多くは医師で、中には鎌田實さんのように「人生総合アドバイザー」というか、人気エッセイスト、コメンテーターとして独り立ちしている才能もある。

   がんや心疾患、脳疾患と並んで中高年が心配なのは認知症だろう。帯津医師の連載はピンポイントで「ボケ予防」をテーマにしており、肥満や睡眠と認知症の関係、音楽療法などを取り上げてきた。「予備軍」である私たち世代の関心に、正面から応える内容である。

   匂いが認知症の予防だけでなく治療にも役立つという説は、びっくりするような話ではないが、専門用語を交えてのコラムには説得力がある。どの行も「ありがたい」ご託宣なのだ。嗅覚への刺激がいいと知り、開いた週刊朝日のインクのにおいを嗅いだ読者がいたかもしれない。

   帯津さんは「五感を刺激すれば生命力が向上する」という。嗅覚に限らず、映画でも音楽でも美食でも、各種のスキンシップでも、あらゆる刺激がボケ予防となる。おじさん週刊誌が、熟年セックスの奥義をほぼ定番化している理由もコレだろうか。

冨永 格

冨永格(とみなが・ただし)
コラムニスト。1956年、静岡生まれ。朝日新聞で経済部デスク、ブリュッセル支局長、パリ支局長などを歴任、2007年から6年間「天声人語」を担当した。欧州駐在の特別編集委員を経て退職。朝日カルチャーセンター「文章教室」の監修講師を務める。趣味は料理と街歩き、スポーツカーの運転。6速MTのやんちゃロータス乗り。

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