車いすバスケ・小田島選手「生き甲斐ができた」
トークショーには山本選手のほか、車いすテニスの菅野浩二選手、車いすバスケットボールの小田島理恵選手も登壇した。2人は、仕事と競技を両立する「パラアスリート」だ。
菅野選手はリクルートに勤務し、週3日を会社の社内報制作業務に、週2日をテニスの練習に充てている。
高校1年生の時に交通事故に遭い、車いす生活を余儀なくされた。入院先の病院でテニス用の車いすを譲り受け、競技を始めたという。菅野選手が出場するクァードクラス(男女共通上下肢障害)では、手に障害がある選手もおり、「僕は軽い方でそのままラケットを握っているんですが、なかには(握力がなく)テーピングでラケットを縛っている選手や、電動車いすに乗っている選手もいます」と話した。
同じくリクルート所属の小田島選手は、校閲業務と練習をそれぞれ2日半ずつ行っている。小・中学生の時は「男の子をやっつけるくらい」おてんばで、高校では少林寺拳法部に入部し、最後の大会で全国5位に輝いた。しかし、専門学校在籍時に脊髄を損傷。その後、リハビリステーションで「バスケ体験教室」のチラシを見つけ、楽しそうだと思ってやってみたところ競技に「はまった」のだという。
車いすバスケは健常者も参加し、障害者と同じ「土俵」で競うことができる。小田島選手は車いすバスケに出会ったことで、自身の障害に対する見方も変わったようだ。
「何気ない毎日を送っていたが、車いすバスケに出会って生き甲斐ができて、パラリンピックを目指すという大きな目標ができて。怪我をしたことがラッキーだなと思えるようにまでなりました」