日本初の建築業界・測量業界の展示会「建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO)2018」が2018年8月28日~30日まで、幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催されている。
ドローンを使った空中からの測量など、最新の技術が紹介された。
ドローンで200ヘクタールを20分で測量
展示会では、測量用の「ドローン」を展示している企業が目立った。従来の測量は人が1日かけて現場を歩きながら計測していたが、現在はドローンの空中写真測量により少人数・短時間で可能となった。
建設機械大手の小松製作所(コマツ、本社・東京)の展示ブースでは、200ヘクタールの範囲を約20分で計測するサービス「エブリデイ・ドローン」を紹介していた。同社のアプリを使えば、ドローンで計測したい範囲をiPad上で簡単に設定できる。また、計測の経路は自動で検索してくれる。ドローンにより計測したデータは、人工物や植木等の障害物を除去し、高精度な3次元データで見ることができる。
こうしたハイテク技術は、災害発生時にも役立っている。コマツは今年7月に発生した西日本豪雨の支援として、「エブリデイ・ドローン」を、被災自治体に無償で提供した。
建設機械のレンタル・リースを手掛けるAKTIO(アクティオ、本社・東京)のブースにあった、建築用無線操縦ロボット「アクティブロボSAM」も人命救助に貢献している。これをバックホウ(油圧ショベル)に取り付けると、200メートル先からでも遠隔操作が可能になる。つまり、災害により人が入れない場所でも稼動できるのだ。
アクティオは陸上自衛隊や地方自治体と、災害時に機材を優先的に供給する支援協定を結んでいる。
東京五輪追い風で建築業界「大変好調」
28日のオープニングセレモニーには、展示会実行委員長の谷鉄也氏、国土交通省副大臣の秋元司氏ほか、出展社のうち19社の代表が顔をそろえた。
谷氏は主催者代表として、こう述べた。
「本展示会は今回が第1回目ですが、出展企業数175社、ブース数724ブース、展示面積は屋内・屋外合わせて1万7000平方メートルといったかたちで、大規模に開催することができました」
2020年の東京五輪などが追い風となって、建築業界は「大変好調」だと谷氏。だが一方で、「深刻な人手不足」の解消が課題となっており、「IoT(モノのインターネット)を中心に技術革新が大変急務になっている」と話す。本展示会にはこうした課題解消に貢献している最新技術・商品が集結したとして、「来年度以降も日本の技術を世界に発信していくプラットフォームとして頑張っていきたい」と意気込みを語った。
「建設・測量生産性向上展」は2019年5月に第2回を予定している。