首都大学東京(東京都八王子市など)が「原点回帰」する。同大学は2018年8月24日、名称を「東京都立大学」に変更すると発表した。
大学名の変更を提案していた小池百合子都知事は、「単に元(の名称)に戻るのではなく、さらにステップアップしていくものだ」と述べた。
学生「全然知名度がない」
首都大学東京は2005年に誕生した。時の石原慎太郎都知事の主導で、東京都が設置する当時の東京都立大学など4校を統合してできたものだ。
しかし、大学名は学生から不評だった。2018年7月12日に行われた都政改革本部会議で示された資料によれば、「大学の改善してほしい点」を学生に聞いたところ、「大学名・知名度」が46.1%でトップに。「全然知名度がない」「首都大の名前を企業が知らないことがある」――と不満の声が相次いだという。
会議に出席した小池都知事は、認知度向上のためには大学名を変えるくらいの大胆な改革が必要だと指摘。その上で、
「かつてあった『東京都立大学』というのが、今は駅名で残っているだけでございますが、これ(に改名する)のも一つの考え方だと思いますけれども、いかがでしょうか」
と提案していた。
2020年4月から改名
小池知事の「提案」が検討された結果、首都大学東京は2020年4月から「東京都立大学」への変更を決めた。
首都大学東京の島田晴雄理事長は、改名の意義を「社会に対する各大学・高等専門学校のプレゼンスが一段と向上することが期待される一方、東京都が設立した高等教育機関として、教育研究成果を都政へ還元していくなど、社会に対する責任が更に高まることとなります」と発表資料で説明。
小池都知事は8月24日の定例記者会見で、
「単に元(の名称)に戻るのではなく、さらにステップアップしていくものだ」「東京都と都立大学の同期性が外に伝わりやすいんじゃないか」
と述べた。