「金足農・吉田、5回で5奪三振 最速は1467キロ」。2018年8月20日の夏の甲子園(全国高校野球選手権大会)準決勝。金足農(秋田)対日大三(西東京)の試合途中で、こんなニュースが流れた。
SNS上では、「高校生にして世界最速じゃん」「高校野球でついに音速を投げる投手が表れたらしい」と驚きの声が多数あがっている。まさか...。
「人知超える」「そりゃ誰も打てんわ」
配信元はデイリースポーツ(ウェブ版)。金足農のエースでプロ注目の吉田輝星投手(3年)が5回までに最速「1467キロ」を記録した、と伝えている。
吉田投手の武器は規格外の直球だ。各報道では「ストレートの伸びがまるで漫画!」「松坂大輔級の直球の質」などと絶賛されている。
だが、吉田投手の自己最速は「150キロ」。デイリースポーツの記事によれば、その約10倍の球速だったことになるが...。ツイッター上では、
「金足農業の投手、人知超えるスピード出してるやん そりゃ誰も打てんわ」
「今の高校生って1467キロも投げられるのか(白目)」
と脱帽とも困惑ともとれる声が相次いだ。
それから数分後。記事の見出しに踊った「1467キロ」の文字は消え、「146キロ」に変わった。どうやら単純な誤りだったようだ。
思わぬ形でネットを賑わせた吉田投手。試合は9回134球をひとりで投げぬき、2-1でチームを勝利に導いた。この日の最速は「148キロ」だった。