仮想現実(VR)を活動の場とするVRアイドルユニット「えのぐ」の初の本格ライブ「岩本町劇場プレオープン記念ライブ~このえのぐセットやばい~」が2018年8月10日に行われ、J-CASTニュースはその模様を取材した。
「えのぐ」のメンバーは5人で、VRタレントのマネージメントを手がける「岩本町芸能社」に所属している。ライブ会場の「岩本町劇場」(東京都渋谷区)は、世界初のVRタレント専用劇場だ。
サイリウムを持ったVR観客で埋め尽くされていた
VRライブでは、来場客はヘッドマウントディスプレー(HMD)とヘッドホンを装着し、色が変えられるサイリウム(現実では色の部分は見えない)を振って観賞する。HMDを調節すると、ステージの位置を自分の正面に向けられる。
ライブには抽選で選ばれた5人の一般客が来ていた。運営側から、ライブ中は「立ち上がらないように」との事前注意を受けたが、そのほかは通常のライブのように「サイリウムを振ったり、大きな声で応援してもらって構いません」とのことだった。HMDを着けた状態であたりを見渡すと、現実にあるものは一切見えず、サイリウムを持ったVR観客で埋め尽くされていた。
ライブは2部構成。1部の様子は動画配信サイト・ユーチューブ(YouTube)でリアルタイム配信しており、視聴者からは「すげええええええええ」「なんか泣けてきた...」「心臓消えた」といった、声が続々と寄せられていた。2部はライブ会場でしか見られない特別ステージで、オリジナル曲だけでなく「めざせポケモンマスター」や、歌手・奥華子さんの曲「ガーネット」を披露し、会場からは時折歓声が上がっていた。
「えのぐ」のメンバーは、話し方や踊りにクセがあったり、振りつけを間違えたりと、本当にアイドルが目の前にいるようだった。途中トラブルのため曲を中断してしまっても、「もうすぐだから、待っててね!」と観客に呼び掛け、曲の短縮版を歌い直すなど、臨機応変に対応した。
約1時間でライブは終了。観客らは「えのぐ」メンバーの立ちパネルと写真撮影を楽しんでいた。「えのぐ」のオリジナルTシャツを着用して参加していた男性に、ライブの感想を尋ねると、
「『えのぐ』のことは2、3か月前に知りました。VRなのに、本当に目の前にいるみたいでした」
と答えてくれた。