特攻隊員が遺した手紙とスケッチ 「まんが少年、空を飛ぶ」

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   偕成社(東京都新宿区)は、「まんが少年、空を飛ぶ 特攻隊員・山崎祐則からの絵手紙」を2018年8月21日に発売する。

  • 軍隊から家族に送り続けた
    軍隊から家族に送り続けた
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まんがは幼いころからの特技

   夢と才能を持つ若き特攻隊員が、予科練に入隊から特攻命令が下るまでの2年半に家族にあてた手紙やスケッチを1冊にまとめた。

   著者の山崎祐則氏は1925年、高知県の夜須村で生まれ、幼少時代を過ごした。まんがが好きで空を飛ぶ夢も持っており、旧制中学のまんが同好会では「青空高士(あおぞらたかし)」というペンネームを名乗る。中学を中退して三重海軍航空隊に入隊してからは、訓練の日々をまんが付きの手紙で家族に報告したという。ハンモックでの寝起きや分隊対抗の「棒倒し」の様子など、ポストカードのような作品も残っている。

   練習教程を卒業後、1944年に愛知県の豊橋海軍航空基地に配属された。最新鋭の飛行機で空を飛ぶ念願の日々だが、戦場への出撃も近づいてくる。戦況が悪化した1945年、ついに出撃命令。半日休暇をもらい、故郷・高知へ飛行機を飛ばした。上空から実家を見つめた感激は、家族への手紙に綴られている。その約1か月後、九州東南沖へ出撃した。享年19歳だった。

   軍隊で描かれたまんがとして貴重な資料であると同時に、戦争で失われた才能、戦時中でも夢と希望をもって生きた若者の人生を伝える記録でもある。

   価格は4200円(税抜)。

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