73回目となる終戦の日を迎えた2018年8月15日、全国各地では戦没者追悼の催しが行われた。ツイッターでは「終戦の日」「終戦記念日」がトレンドワードに入り、戦争の根絶と平和を願う内容が多数投稿された。
そんな中、終戦にかこつけて「自撮り写真」を公開するのは許せるか、との議論がSNS上で巻き起こっている。
ミス慶應候補も違和感「私は貼れないな」
「今日は終戦記念日♪って言いながら自撮り上げてる人居て笑った」「なんで終戦の日を伝えるツイートに自撮りなんか載っけてんの」――。終戦の日のツイッターでは、こんな書き込みが散見された。
試しに「終戦」を含む画像投稿をツイッターとインスタグラムで検索してみると、大半は平和を象徴する鳩や花、原爆ドームなど終戦に関する写真だが、一部で自撮り写真も見つかった。終戦に触れつつ、その日の予定や告知を書き込むのが「定番」のようだ。
J-CAST編集部で確認した限りでは、一般ユーザーからの投稿は少なく、芸能関係者が多くを占めていた。ツイッターの場合、トレンドワードはそれ自体で検索され、人の目に留まりやすい。そのため、トレンドワードを意識的に投稿に盛りこむユーザーも少なくない。
ミス慶應コンテスト2018に出場中で、自撮り写真を披露する機会の多い上野瑚子(ここ)さんは15日、完全に個人の価値観で誰かを非難する趣旨ではないですが、と前置きしつつ、
「終戦や原爆関連のツイートに自撮りやら(編注:おそらくミスコンの)投票リンクを私は貼れないな。『戦争を知らない子供たち』世代だから間接的にしか戦争を知らないから実感を伴わないのは仕方ないけれど、薄っぺらいことをましてやそういう話題で気軽には言えないや」
とツイートした。
炎上に発展するケースも
こうした投稿は、著名人であればリスクも伴う。大規模な事件や事故、災害時に自撮り写真を投稿し、いわゆる「炎上」した芸能人は少なくない。
16年4月に起きた熊本地震では、モデルの西内まりやさんが「頑張ろう。支え合おう」と自撮り写真を添えて被災者にエールを送ったところ、「最後の自撮りいりますか?」「偽善者」などと批判的な声が寄せられた。投稿はしばらくして削除され、謝罪とともに、
「私なりに、1人でも多くの方と共有したい。見守ってるよ。という気持ちで更新させてもらっています」
と説明し、理解を求めた。
一方で、こうした風潮は「不謹慎狩り」だとして警鐘を鳴らす向きもあり、西内さんの投稿に対しても「別にいいのに」「何が悪いんだ?」という声も多かった。