自身の死後、資産を子どもや配偶者など法定相続人以外に譲り渡す「遺贈(いぞう)」が広がりを見せていることが、「国境なき医師団日本」の調査で示された。
活動に共感する個人や団体に遺言を書いて、資産の一部もしくはすべてを寄付するもので、遺贈を推進する全国組織も発足した。
遺贈の認知度は64.4%、約半数が前向き
世界自然保護基金、日本財団、日本対がん協会、大学......。多くの公益法人や学校法人では、通常の寄付に加え、「遺贈」による寄付を受け付けている。三井住友信託銀行では、同行の提携寄付先と遺贈希望者をつなぐ仲介業も行っている。
こうした動きは、自身の資産を社会貢献に役立てたいなどとのニーズを反映したものだ。2016年11月には遺贈に関する情報発信や相談を受け付ける一般社団法人「全国レガシーギフト協会」(東京都港区)が設立された。
国境なき医師団日本が18年6月22日~28日の期間、全国の20代から70代の男女1200人を対象に実施した調査によると、「遺贈」の認知度は64.4%で、遺贈に前向きな人は約半数の49.8%だった。
最も人気の寄付先は、「人道支援」で22.4%。以下「医療支援」(17.8%)、「災害復旧支援」(15.8%)と続いた。国境なき医師団日本は、
「遺贈をする場合、どの世代も共通して社会貢献に役立てたいという意識が高い結果となりました」
としている。