プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスが猛追を見せている。最下位脱出は目前で、Aクラス入り(3位以内)の可能性も見えてきた。
楽天は前半戦を終えて「29勝49敗1分(借金20)」と、ダントツのリーグ最下位だったが、後半戦は12勝2敗と絶好調。前半終了時点で11ゲーム差あった5位のオリックス・バファローズとのゲーム差は、1.5ゲーム差に迫っている。
3位ソフトバンクと4.5ゲーム差
昨季3位でクライマックス(CS)ファイナルに進出した楽天が、今季は出だしからつまずいた。守護神の松井裕樹投手や打撃陣の不振などでチームが低迷、6月16日時点で借金は20にまで及んだ。同日、責任をとるかたちで梨田昌孝監督が辞任を発表した。代わって現在は、ヘッド兼打撃コーチを務めていた平石洋介代行監督が指揮を執っている。
2018年8月2日試合終了時点で、楽天は93試合で「41勝51敗1分」。平石代行監督就任後、借金は10まで減った。7月16日からの後半戦は12勝2敗で、直近のカードで5球団すべてに勝ち越している。
一方で、5位のオリックス、4位の千葉ロッテマリーンズ、3位の福岡ソフトバンクホークスが調子を落としている。後半戦に入ってから、オリックスは「3勝12敗」、ロッテは「3勝7敗1分」、ソフトバンクは「5勝8敗1分」といずれも負け越している。
楽天は首位の埼玉西武ライオンズとは14ゲーム差と、リーグ優勝には絶望的な位置だが、3位のソフトバンクとは4.5ゲーム差とじわじわと近づいている。3位になれば、CSに出場することができ、そこで勝ち進めれば日本シリーズに出場できる。最近では2017年にセ・リーグの横浜DeNAベイスターズが3位から日本シリーズ進出、2010年にはロッテが3位から日本一に輝いている。
巨人は13ゲーム差、日ハムは11.5ゲーム差を詰める
優勝の可能性もゼロではない。プロ野球ではときにレギュラーシーズンでも、とんでもない大逆転が起こることがある。2016年に日本ハムファイターズが首位と最大11.5ゲームあった差をひっくり返して優勝、さらに日本一にまで上り詰めた。2008年にも読売ジャイアンツが13ゲーム差をつめて優勝している。大リーグでも、2012年にオークランド・アスレチックスが13ゲーム差から逆転優勝をした例がある。
楽天は8月2日時点でリーグ防御率トップ「2.14」の岸孝之投手、松井投手に代わって守護神を務め、防御率「0.97」と抜群の安定感を見せるハーマン投手らが投手陣を牽引。打撃陣では、11本塁打、15盗塁、打率2割9分8厘の中堅手・田中和基選手、8本塁打、39打点、打率2割7分9厘の三塁手・代打で最近14試合7打点、出塁率3割6分4厘、長打率6割6分7厘の枡田慎太郎選手らの活躍が光る。
なお8月3日、先発ローテの一角を担っていた美馬学投手が右肘の張り(再発)で、主砲のアマダー選手が右脇腹痛で登録抹消となった。各スポーツ紙が報じている。自身初となる2ケタ勝利(11勝8敗)を達成した美馬選手は、春先に不調も6月から調子をあげてきていた。アマダー選手は後半戦14試合で8本塁打と打撃陣を牽引していた。はたしてこれがどう影響するか。