戦法としてありかなしか
当時の試合後のインタビュー映像を振り返ってみると、馬淵監督は「5打席連続敬遠は勝つための戦法」だと話している。
「試合前に松井を見まして、うちのピッチャーの球威では難しいと思いますので。いさぎよく勝負の手もありますけどね、われわれも高知県代表として負けるわけにはいきませんので。勝利至上主義ではないですけど、あの勝負の展開の中で、戦法としては僕は間違ってなかったんじゃないかと思います」
一方で、敗れた星陵の山下智茂監督は「勝負してほしかった」と話していた。
「勝負してほしかったです、松井君とね。それだけです。自分の野球の中で悔いが残る一戦です」
松井さんは「(敬遠は)相手の作戦なんで、自分は何も言えません」と述べただけだった。
当時、松井さんへの5打席連続敬遠の是非をめぐって大きな論争が起こった。なお朝日新聞社が2017年6月24日に発表した、第99回全国高校野球選手権・埼玉大会出場の監督へのアンケートによると、有効回答151人のうち79人(52%)が「5打席連続敬遠はあり」と答えている。
記念すべき第100回目の夏の甲子園は8月5日に開幕する。松井さんは開幕日の始球式を務める。