講談社は「気がつけば動物学者三代」を2018年7月24日頃に発売した。
シリーズ累計195万部を記録した「ざんねんないきもの事典」(15年発売)の監修者、今泉忠明氏の本格自伝だ。
動物学者の幼少期から研究の日々まで
今泉氏は2018年には"こどもの本"総選挙で第1位を獲得しており、子どもたちが今1番会いたい著者だという。父・兄・息子も動物学者で、3代にわたるエリート動物一家だ。父は国立科学博物館の研究者。家ではコウモリやヘビやネズミがうろちょろしていたという。
小学生時代には山で小動物を採集するにとどまらず、標本まで仕上げた。青春時代は海へのあこがれから水産大学生になりつつも、やはり父の影響で陸上の哺乳類の生態調査に夢中に。哺乳類の調査を本格的に始めてからは、イリオモテヤマネコ等の暮らしを知るために動物たちと知恵比べをするなど、動物学者として歩んだ道のりが明かされる。
動物の観察を通して生き物の共生や人間がどんな動物なのかを考える、学者としての態度や魅力的な生き方が凝縮された1冊だ。
価格は1200円(税別)。