「オウム真理教事件」3つの立場から迫る 国選弁護士、元出家信者、警視庁公安OBは何を見た

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実名と素顔をさらしてテレビ生出演

   「1995年4月23日。オウム疑惑が怒濤のように渦巻くさなか、実名と素顔をさらしてテレビに生出演した元出家信者がいた。高橋英利。教団科学技術省に所属していた青年である」

   『オウムからの帰還』(著・高橋英利、草思社、756円)の著者はそう紹介される。自らは「宗教という看板の入口にくぐったはずなのに、いまその出口には『テロリスト集団』という看板がかけられているのだ。なぜこんなことになってしまったのか。(中略)この手記によって、オウム真理教というものの真実の姿を僕なりに問い詰め、その『闇』の部分の正体がわずかでも見えてくることを望んでいる」と執筆の心境を語る。

   信州大学理学部地質学科、同大学院で測地天文学を専攻。天文台での研究を中断し、オウム真理教に出家したが、強制捜査を機に上九一色村のサティアンを脱出した。「出会い」「イニシエーション」「秘密金剛乗」などオウムの実態を内部から伝える貴重な記録だ。

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