「日本史上最も知的な雑談」 偉大な批評家と数学者が「人間」を語る

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小林「一つ言葉が浮かぶとまた生まれ文章になる」

   (2)数学者と文学者の共通点は、言葉と心にある。脳科学がない当時、哲学、直観という言葉を使いながら、二人が確信している事柄が確認されていく。

〇言葉のはたらき
   岡潔:数学では何を考えたか書いておかないとわからなくなるから言葉を残す。思索は言語中枢なしにできない。
小林秀雄:書くときにはイデー(編注:「観念」の意)にあう言葉を拾うわけではない。言葉を探している。ひょっと一つ言葉が浮かぶとまた生まれ文章になる。

〇感情の権威
   岡潔:最近数学の世界で、満足とは知ではなく情がするものだということがわかった。知は情を説得できない。人類は感情の権威にようやく気づくことができた。感情意欲がわかないと人は動かない。

〇人間の建設。
   岡潔:理論物理学が実在する最大のものは核兵器。葉緑素ひとつつくれない。工業も物質の機械的操作にとどまる。ひとの心を科学して、人の心の根底にあるものから考え直さないと、いまの自然科学に「人間の建設」はできない。

経済官庁 ドラえもんの妻

【霞ヶ関官僚が読む本】現役の霞ヶ関官僚幹部らが交代で「本や資料をどう読むか」「読書を仕事にどう生かすのか」などを綴るひと味変わった書評コラムです。

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