「年齢が高いほど過激な意見を持つ傾向がある」――。
富士通総研が2018年7月13日、こんな調査結果を発表した。
政治的傾向に影響を与える要素を調べたもので、インターネット上では「薄々感じてたことが明るみに出た感じ」「めちゃめちゃ実感に近い」と賛同の声が少なくない。
ブログを読む人はむしろ穏健化
調査は、富士通総研の浜屋敏研究主幹と、『ネット炎上の研究』(勁草書房)などの著書を持つ慶應義塾大学・田中辰雄教授(計量経済学)によって行われた。
調査の発端は、インターネットが社会の分断を加速させているのか、との問題意識からだ。
ネット上では、自分の興味がある情報だけに目を向け、そうでないものや価値観にそぐわない意見は無視する「選択的接触」が起きやすいと言われているという。そのため、
「誹謗と中傷が跋扈(ばっこ)し、相互批判ばかりが目立つようになった。人々の政治的な意見は左右の二つの陣営にますますわかれていき、社会は分断されているという印象が生まれる」
とする。
そこで、「通説」を確かめるべくアンケートを実施。政治的傾向とネット(ブログ・SNS)接触度の関連を探った。※詳細は以下から
http://fujitsu.com/jp/group/fri/column/opinion/2018/2018-7-6.html
すると、意見の過激さと、ツイッターやフェイスブック利用との間に有意な関係はなく、ブログを読む人はむしろ穏健化する傾向があったという。
それでは、政治的傾向に影響を与える要素は何か。調査からは「年齢」だということがわかり、年齢が高くなるほど過激な意見を持つ傾向があると結論づけている。