大塚製薬は2018年7月12日、消防士の熱中症に関する研究の成果と、熱中症対策として開発した新製品「ポカリスエット アイススラリー」の発表を、東京都内で行った。
同社は1992年から熱中症対策に取り組んでいる。「熱中症ゼロ」を唱えるリーディングカンパニーとして、まずは消防士など過酷な環境下で働く人をサポートする目的で、今回の製品を開発したという。
消防士など暑熱環境下で働く人をサポート
同社のニュートラシューティカルズ事業部・サイエンスコミュニケーション担当課長の只野健太郎氏は、これまでの熱中症研究で蓄積したノウハウをもとに、「アイススラリー」という新しい形状にたどりついたと話した。アイススラリーとは、細かい氷の粒子が液体に分散した流動性のある氷で、通常の氷に比べて結晶が小さく、冷却効果が高いとの説明だ。この氷を用いたのが、「身体を芯から冷やす」パウチタイプの飲料「ポカリスエット アイススラリー」だ。
従来のポカリスエットの特性である「水分と電解質(イオン)の補給」に加え、「身体の内部の温度(深部体温)を下げる」と只野氏。暑熱環境下で活動する人に向けた製品だという。冷凍庫で4時間以上冷やしてから飲む。
同事業部のポカリスエット プロダクトマーケティングマネージャーの浅見慎一氏は、
「熱中症をゼロにしたいと本気で思っています。そのために、まずは(消防士の方を中心に)過酷な現場で働く人のサポートからしていきたいと考えました」
と話した。「熱中症対策の啓発活動」を中心に考えているため、現時点では自社のオンライン通販での販売のみにしている。