アツ~い夏にコワ~いクルージング 船上でひんやり「怪談ツアー」体験リポート

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都会の真ん中、橋の下で怪談を聞く

   その後、神社からクルーズが行われる東京・日本橋まで、はとバスで移動した。日本橋に到着すると船が用意されており、18時過ぎに乗船してクルージングが始まった。定員は40人ほどで、意外にも水洗トイレがついている。

   この日の東京の最高気温は32度、少し涼しくなってきた時間帯とはいえ、歩くだけで汗ばむほどだった。船の進行スピードは思ったよりも速く、屋根がない分、風を受けることで暑さはあまり感じなかった。18時半ごろになっても空はまだ明るく、「雰囲気的に大丈夫だろうか...」と若干の不安を感じていると、案内人によるガイドが始まった。クルージング中に通過する数々の橋や建造物、周辺を飛び回る「アオサギ」にまつわる逸話を、ユーモアを交えつつ聞かせてくれた。

   日が暮れ始め、19時を過ぎたころ、船は「霊岸橋」という橋の下で停止。講釈師を務める落語家による、お待ちかねの「怪談ばなし」が始まった。披露されたのは、三遊亭圓朝作の「もう半分」(別名「五勺酒」)。居酒屋にやってきた酒を半分ずつ注文する老人が、大金が入った風呂敷包みを置き忘れ、居酒屋夫婦がネコババして取り返しのつかないことになる―――というものだった。記者は落語を聞くのは初めてだったが、その演技力にぐいぐい引き込まれ、終わるころには日がすっかり落ちていた。

   夜の日本橋を眺めつつ、船は無事に着岸。東京に来て2年目の記者にとっては、季節感のある満足度の高いツアーだった。橋を渡る人々の視線が少々気になったが、「夏っぽいことをしたい」「何か特別な体験を」という人によさそうだ。

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