「アラサーには全てが懐かしすぎる」「全然わからない(笑)」――。世代によって感想が大きく異なるミュージックビデオ(MV)がある。歌手・青山テルマさん(30)の新曲『世界の中心~We are the world~』だ。
青山さんはR&Bシンガーとして知られるが、新曲では「ギャル」に変身。時計の針を1990年代に巻き戻し、当時の「あるある」を歌い上げている。
「チョベリグー」にパラパラ...90年代の流行を凝縮
新曲は2018年7月25日発売の新アルバムに収録される。5月にMV(ショート版)がユーチューブで公開されると80万再生(7月3日現在)と注目を集め、7月1日には完全版が公開された。
注目のワケは、青山さんらしからぬ「ダサかっこよさ」だ。青山さんと言えば、オリコン1位を獲得したバラード『そばにいるね』の印象が強いが、新曲ではそのイメージを覆す。
「チョベリグー」「マンモスうれぴー」「うちらのアイドル永遠(安室)NAMIE」――。歌詞は80年代後半~90年代を彷彿とされる単語であふれる。
MVではユーロビート調のBGMに合わせ、金髪、厚底、ルーズソックスと「ギャル」姿の青山さんが東京・渋谷の「109」前でパラパラを披露。そのほか、「ダンスダンスレボリューション」「進め!電波少年」をパロディー化したとみられる演出もある。
動画のコメント欄には、
「三十代だけど懐かしくて泣く」
「今の若い子達にはこの良さは分かりにくいだろうねーもう、この音といい、パラパラといい、昔を思い出すーーー最高!」
と懐かしむ人が少なくなく、当時の世代ど真ん中の曲となっているようだ。
一方、当時を知らない若者世代からは、
「クセになりすぎてめっちゃ聴いてる。。。。世代じゃないけどめっちゃすき」
と当時の流行が新鮮に映ったり、
「現役JKだけどこれが懐かしいと感じるのは精神年齢がアラサーってことだろうか」
となぜか既視感を覚えたりする声もあった。
リバイバルヒットは他にも
音楽業界では、80~90年代の「リバイバル」に熱視線が送られているようだ。
歌手・荻野目洋子さん(49)が1985年に発売した『ダンシング・ヒーロー(Eat You Up)』は、17年に大阪府立登美丘高校ダンス部の"バブリーダンス"で使用されて再ブレイクした。
また、ダンスボーカルユニット「DA PUMP」が18年6月発売した『U.S.A.』は、イタリアのアーティスト、ジョー・イエローが1992年にリリースしたユーロビート曲のカバー。歌の中で何度も繰り返す「カーモンベイビーアメリカ」が耳に残り、こちらも「ダサかっこいい」とSNSで火がついた。
そのほか、1983年に音楽バンド「ラッツ&スター」がリリースし、歌手・倖田來未さん(35)がカバーした『め組のひと』(2010年発売)は、動画アプリ「TikTok」で大人気だ。早回ししたカバー版を口ずさみながら振り付けを加えた動画が多数投稿され、18年6月24日の「LINE MUSIC」ではランキング1位を獲得した。