人はみな「体験」をしたい
チームラボは6月21日、東京・お台場に「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス」をオープンしている。「Borderless」のコンセプトのもと、1万平方メートルという巨大空間が5つの世界から構成され、圧倒的なスケールのデジタルアート作品が「境界のないひとつの世界」を形づくっている。
――お台場のミュージアムも先月オープンしました。
猪子氏 「ボーダレス」のミュージアムは、複雑な空間です。作品の境界がどこか分からないような。例えば原生林に行くと、ひとつひとつの生命が境界なく存在している。そういう作品のなかをさまよっていくというものです。
オープン初日から、外国から来られた人が3割以上になりました。実は初日から、ずっと売り切れているのですよ。いつも世界中で開催していて、海外からのお客さんも多いのです。都市にこういう体験ができる場所をつくることで、海外から東京のような都市に遊びに来る「理由」になればいいと思います。
――2つのミュージアムは、作品を見る、聞くだけでなく「体験できる」ことが大きな特徴だと思うのですが...。
猪子氏 人はみな「体験」をしたい。インターネットで世界中とつながっている今、見る、聞くというのはもう、いくらでもできます。テレビやネットで、頭だけで判断しがちになり、まるで知ったような勘違いを起こしやすい。体験することは、メディアを通して見たこととは全く違うことを知ることができるのです。