ビルの消灯時間を動画撮影して公開 不思議アカウント「TokyoWorkers」を取材した

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「なんだこの有益なアカウントはww」

   2018年6月27日、ツイッターで突如話題となった謎のアカウント「TokyoWorkers」。都内の企業を巡り、建物の消灯時間を動画撮影しているという。一体、誰が何の目的でやっているのだろうか―――。J-CASTトレンドは6月30日、アカウント主のTokyoWorkersさんを取材した。

  • 消灯時間を撮影(ウェブサイト「TokyoWorker」より、一部加工)
    消灯時間を撮影(ウェブサイト「TokyoWorker」より、一部加工)
  • 動画マップ(ウェブサイト「TokyoWorker」より)
    動画マップ(ウェブサイト「TokyoWorker」より)
  • 消灯時間を撮影(ウェブサイト「TokyoWorker」より、一部加工)
  • 動画マップ(ウェブサイト「TokyoWorker」より)

きっかけは企業の実態を確かめる「就活生」の記事

   TokyoWorkersさんは28歳の会社員。「TokyoWorkers」という名称から複数人で活動しているのかを確認すると、すべての活動を1人で行っているという。普段は、「どういう働き方をしたらより生産性が上がるか」などを提案する「働き方コンサルティングのような仕事」をしている。

   撮影を始めたのは、約1年前だ。きっかけとして、「AERA dot. (アエラドット)」が2017年6月5日に掲載した「『休めないなら辞めます』イマドキ20代が余暇を優先する理由」という記事を挙げた。

   記事では、就職活動中の男子大学生が、志望企業に電話をかける様子が描かれている。23時以降や日曜日に電話をかけ、入社後に残業を強いられないか、週末は本当に休めるのか、企業の実態を確かめているのだ。TokyoWorkersさんは、

「企業に電話掛けたり、深夜に電気点いてるかチェックしてまで残業しているか確認している人がいるのか、と驚いたのですが、でも確かに電気点いてたら残業しているかわかるし、実際に目で見て確認できるっていうのは納得感があるし、面白いなと思い、消灯時間の撮影を始めました」

と語る。

   彼自身、活動の目的は「企業の公表した残業時間の信憑性が低いので、実際の残業時間(=消灯時間)を撮影し、世間に知ってもらう」というところにある。

「私の就職当時(2014年)は割と売り手市場で、なにも考えずともすんなり企業入れてしまいました。入社してから『自分が思い描いていた業務内容と違うなぁ』とか、『こんなに激務だったの!?』みたいな事の連続で、何回か会社辞めようかなと思うことがありました。なので、今就活している人には、自分と同じ思いをしてもらいたくないなぁというのがモチベーションだったりします」

夜中に都内を駆け回り、撮影

   撮影は主に平日の夜、2~3週間に1回ぐらいの頻度で行っている。自転車で都内の企業を巡り、私物のカメラを7か所に設置、1回で何本か撮りためる。平日は仕事のため、編集作業などは週末に行う。スケジュール面でも忙しそうだが、

「撮影は夜中に都内を駆け回っているので割と大変なのですが、街歩き・ポタリング好きなので苦ではないですね。編集は1~2時間なのでそこまで負担にはなっていないかぁと思っています。一度編集方法決めてしまえば、単純作業ですし」

との回答が返ってきた。

   動画撮影は「タイムラプス(低速度撮影)」という技法を使用しており、コマ送りのようになっている。ツイッターやユーチューブ(YouTube)、「TokyoWorker」という個人ウェブサイトに公開している。サイトでは、これまで撮影してきた動画をグーグルマップに反映し、撮影した企業の位置情報がわかるようになっている。これまでに撮影したのは約60社だ。

   動画とともに掲載している企業情報は「就職四季報」から引用するほか、企業のIR(投資家向け広報)から得ている。「最近は働き方改革関連のIRを出す企業も多くなってきていて、時代が少しずつ変わってきている気もしています」。

   ちなみに、TokyoWorkersさんの周囲の人たちは、この活動をまったく知らないという。訳を尋ねると、「言っても白い目で見られそうなので(笑)」とのことだった。またこんな「本音」も。

「もちろん副業としてお金稼げたらいいなぁなんて事も半分、いや3/4くらい思っています。まだ全然ですが」
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